計測​器​仕様​を​理解​する ― 計測​用語​の​概要

概要

この​チュートリアル​は、​ナショナル​イン​ス​ツル​メンツ​の​計測​の​基礎​シリーズ​の​一環​です。​この​シリーズ​の​各​チュートリアル​では、​理論​の​説明​および​実用​的​な​サンプル​を通して、​一般​的​な​計測​アプリケーション​に関する​特定​の​項目​について​習得​し​ます。

詳細​について​は、NI 計測​の​基本​メイン​ページから​入手​し​て​くだ​さい。

長年​にわたって、​マルチ​ファンクション​データ​集録​ボード​は​トランスデューサ​と​コンピュータ​間​の​インタフェース​として​の​役割​を​果たして​き​ま​した。​多種​多様​な​アプリケーション​に​対応​する​よう​デザイン​さ​れ​て​いる​これらの​ボード​は、​動力​計​から​CD​プレーヤ​の​テスト​に​至る​まで、​さまざま​な​アプリケーション​に​使用​さ​れ​てい​ます。​コンポーネント​と​コンピュータ​テクノ​ロ​ジ​の​発達​に​伴​い、​現在​では​従来​の​箱​型​計測​器​システム​の​性能​に​匹敵​(または​超越)​する​コンピュータ​ベース​の​測定​システム​構築​が​可能​となり​ま​した。​これまで、​データ​集録​ボード​と​スタンドアロン​計測​器​は、​異なる​用語​または​違う​意味​を​持つ​同じ​用語​で​定義​さ​れ​てい​ま​した。​この​アプリケーション​ノート​は、​NMRR、​CMRR、​ECMRR​など​の​仕様​パラメータ​を​明確​に​定義​し、​これらの​仕様​が​測定​に​直接​どの​よう​な​影響​を​及ぼす​か​を​示す​こと​で​この​問題​を​解決​し​ます。

まず、​測定​システム​を​構成​する​際​に​遭遇​する​各​パラメータ​名​の​技術​的​定義​を​説明​し​ます。​その後、​一般​的​な​間違い​について​紹介​し、​許容​誤差​を​表​で​説明​し​ます。

内容

定義

  • 分解能 - 計測​器​が​確実​に​検知​できる​入力​信号​の​微細​な​変化。​この​用語​は​測定​ノイズ​(回路​または​によって​量子​化​ノイズ)​によって​決定​さ​れ​ます。​たとえば、​5½​桁​表示​で​入力​レンジ​が​20 V​に​設定​さ​れ​た​ノイズ​が​無い​電圧​計​を​使用​し​て​いる​場合、​この​電圧​計​の​分解能​は​100 µV​に​なり​ます。​これ​は​最も​小さい​桁​における​変化​を​観察​する​こと​で​決定​でき​ます。

    ​では、​この​同じ​電圧​計​に​ピーク-​ピーク​ノイズ​が​10​カウント​ある​場合、​ノイズ​の​存在​によって​有効​分解能​の​値​は​下がり​ます。​ノイズ​の​ガウス​分布​によって、​この​場合​の​有効​分解能​は​0.52 x 1 mV​に​なり​ます。​一般に、​測定​システム​に​X​カウント​の​ガウスノイズ​が​ある​場合、​システム​分解能​は​次​の​式​に​基​づ​い​て​求める​こと​が​でき​ます。


    ​ちら​つきの​ない​測定​システム​または​デバイス​の​有効​分解能​は​1​カウント​に​等​しく​なり​ます。
  • 有効​桁​数​(ENOD) - 計測​器​または​デジタイザ​の​性能​パラメータ​で、​合計​範囲​と​分解能​で​定義​さ​れる。
    ​ ​上記​の​例​に​ある​ノイズ​の​多い​メータ​では​ENOD = log10((20-​(-20))/​0.52 mV) = 4.886、​ノイズ​の​ない​計測​器​では​ENOD = log10((20-​(-20))/​100 µV) = 5.60206​に​なり​ます。

    メモ: ピーク-​ピーク = rms x 6.6(数式​に​基​づ​い​た​値)

  • 表示​する​桁​数​と​オーバー​レンジ - DMM​の​読み出し​によって​表示​さ​れる​桁​数。​通常​0​から​9​の​値​で​表示​さ​れる​桁​数​と​½​桁​で​表​わ​さ​れる​オーバレンジ​で​指定​さ​れ​ます。​½​桁​は​通常​0​または​1​の​値​のみ​で​表示​さ​れ​ます。​たとえば、​6 ½​桁​の​表示​は​7​桁​ですが、​最も​重要​な​桁​は​0​または​1​を​読み出し、​その他​の​6​桁​は​0​から​9​の​任意​の​値​を​とる​こと​が​できる​ので、​カウント​の​範囲​は​±1,999,999​に​なり​ます。​これ​を​分解能​と​混乱​しない​よう​にし​て​くだ​さい。​DMM​では​有効​分解能​以外​の​多く​の​値​が​桁​数​で​表示​さ​れ​ます。

    メモ: DMM​の​製造元​によって、​0​から​9​まで​の​数値​で​ない​値​は​すべて​½​桁​と​呼​ば​れ​ます。​完全​な​桁​は​0​~​9​の​値​となり​ます。

  • カウント数 - 特定​の​測定​範囲​で​分割​さ​れ​て​いる​セグメント​の​数。​たとえば、​従来​型 5 ½​桁​の​電圧​計​は​±199,999​カウント​(+199,999​から-199,999)​で、​合計​カウント​数​は​399,999​に​なり​ます。​カウント​数​は​次​の​よう​に​表​さ​れ​ます​(2)。

  • 最下位​ビット数 - 特定​の​測定​範囲​で​分割​さ​れ​て​いる​セグメント​の​数。​たとえば、​12​ビット​の​デジタイザ​に​は​4096​個​の​LSB​が​あり​ます。​バイポーラ​12​ビット​システム​では、​返​さ​れる​コード​範囲​は​通常-2048​~​2047​となり​ます。​LSB​の​数​は​次​の​数式​(3)​を​使用​し​て​計算​でき​ます。
    n ビットデジタイザ​の​LSB​の​数​は​(4)​によって​取得​でき​ます。
    メモ: LSB​と​カウント​は​同じ​もの​です。​DMM​で​ない​デジタイザ​は、​普通​LSB​数​を​カウント​数​として​示し​ます。​この​定義​は、​ここ​では​比較​目的​で​紹介​さ​れ​てい​ます。

  • 感度 - 計測​器​で​測定​可能​な​信号​の​最小​尺度。​通常​この​値​は​計測​器​の​最小​範囲​で​定義​さ​れ​ます。​たとえば、​最小​測定​レンジ​が​10 V​の​AC​メーター​では、​1 mV​分解能​で​信号​測定​が​可能​かも​し​れ​ま​せん​が、​測定​用​に​検知​できる​電圧​は​15 mV​に​なる​場合​も​あり​ます。​この​場合、​AC​メータ​の​分解能​は​1 mV​で、​感度​は​15 mV​に​なり​ます。

  • 確度 - 計測​器​機能​の​尺度​で、​測定​さ​れ​た​信号​の​値​を​忠実​に​示し​ます。​この​用語​は​分解能​に​関連​し​てい​ま​せん​が、​計測​器​の​分解能​値​より​大​きく​なる​こと​は​ありま​せん。​確度​は​通常​次​の​よう​に​指定​さ​れ​ます。
    ​ ​たとえば、​5 ½​桁​の​電圧​計​で​2.5 V​レンジ​で​+ 24 µV​を​読み取る​確度​は​0.0125%​です。​この​場合、​1V​信号​を​測定​すると​149 µV​の​誤差​が​出​ます。​反対​に、​同じ​電圧​計​の​分解能​が​12 µV​の​とき、​結果​は​確度​より​12​倍​よく​なり​ます。​測定​確度​は​様々​な​要因​に​影響​さ​れる​ことに​注意​し​て​くだ​さい。​これらの​要因​について​は​後で​説明​し​ます。

  • 精度 - 計測​器​の​安定性​を​示す​尺度​で、​同じ​入力​信号​で​の​複数​回​の​測定​において​結果​が​互いに​どの​程度​近い​か​を​示し​ます。
    ​ Xn = n​回​目​の​測定値
    Av(Xn) = n 測定​の​セット​の​平均値

    ​たとえば、​1 V​の​定​電圧​を​監視​中​に、​測定​間​の​値​が 20 µV​変動​し​て​いる​場合、​測定​精度​は
    ​ ​に​なり​ます。 この​値​は​電圧​計​の​確度​より​6.25​倍​優​れ​ます。​この​仕様​は、​電圧​計​を​使用​し​て​デバイス​を​校正​する​場合​や​相対​測定​を​行う​場合​の​目安​として​特に​重要​です。

  • 標準​モード - 測定​を​行​って​いる​計測​器​の​入力​における​差動​変化​を​示す​(図​1​を​参照)。

  • コモ​ン​モード - 測定​を​行​って​いる​計測​器​の​両​入力​における​等しい​変化​を​示す​(図​1​を​参照)。

    ​図​1. 電圧​を​適用​した​標準​モード​および​コモ​ン​モード

  • ノーマル​モード​除去​比​(NMRR) - 標準​(差動)​信号​を​除去​する​計測​器​の​機能​を​示し​た​もの。​次​の​数式​を​使用​し​て​計算​でき​ます。

    Vin は計測器入力に差動的に適用され、 Vmeasured は​DMM​によって​示​さ​れる​値​です。​この​仕様​は、​特定​の​周波数​で​の​信号​または​一定​周波数​範囲​内​で​の​信号​を​除去​する​フィルタ​付き​の​測定​システム​対​し​て​役​に​立ち​ます。​フィルタ​の​ない​システム​では、​NMRR​は​0 dB​です。​この​仕様​は、​測定​器​の​50​または​60 Hz​の除去能力を示すために使用され、​特定​の​周波数​のみ​で​有効​です。​また、​DC​測定​の​場合​に​のみ​有用​です。

    ​たとえば、​60 Hz​で​130 dB​の​NMRR​を​指定​し​て​いる​DMM​を​使用​し​て​1 mVDC​を​測定​し、​ノーマル​モード​干渉​(ノイズ)​が​100 mVrms​の​場合、​測定​誤差​は​次​の​よう​に​なり​ます。
    ​ ​この​値​は​測定​さ​れ​た​信号​の​0.003%​で、​100 mV​の​干渉​が​暗示​する​10,000%​の​誤差​では​ありま​せん。

  • コモ​ン​モード​除去​比​(CMRR) - 両方​の​入力​リード​線​に​共通​する​信号​を​除去​する​計測​器​の​機能​の​尺度。​たとえば、​ノイズ​の​多い​環境​で​熱電​対​を​測定​し​て​いる​場合、​環境​ノイズ​は​両方​の​入力​の​導線​に​現れ​ます。​したがって、​この​ノイズ​は​コモ​ン​モード​信号​で、​計測​器​の​CMRR​で​除去​さ​れ​ます。​CMRR​は​次​の​数式​で​定義​さ​れ​ます。
    ​ ​この​仕様​は​重要​で、​どれ​くらい​の​コモ​ン​モード​信号​が​測定​に​影響​を​与える​か​を​示し​ます。​CMRR​は​周波数​に​も​依存​し​ます。​CMRR​を​示す​数式​は​次​です。
    Vinmeasured は、​適用​さ​れ​た​コモ​ン​モード​電圧​VC​を​示し​た​値​です。

  • 有効​コモ​ン​モード​除去​比​(ECMRR) - DC​測定​において​のみ​有効​な、​特定​の​周波数​で​の​CMRR​と​NMRR​の​合計​です。​これ​は、​両方​の​入力​リード​線​に​印加​さ​れ​た​特定​の​ノイズ​信号​に対して​有効​な​除去​方法​です。​理由​は、​まず​計測​器​の​CMRR​機能によって除去され、​その後​NMRR​機能​によって​除去​さ​れる​ため​です。​この​仕様​は、​ノイズ​の​ほとんど​が​存在​する​電源​周波数​で​最も​有用​です。

  • 非線形 -- 信号​に​かかる​歪み​の​量。​この​歪み​は、​信号​の​入力​レベル​と​信号​の​周波数​によって​変化​し​ます。​上記​の​確度​仕様​を​見る​と、​この​仕様​は​計測​器​に​は​次に​示す​伝達​関数​が​ある​という​想定​の​も​と​に​成​り​立​って​いる​こと​が​わか​り​ます。
    ​ ​この​確度​仕様​では、​割合​と​オフセット​の​用語​は​伝達​関数​の​スロープm および​切片b という​確度​の​程度​を​意味​し​てい​ます。​しかし、​測定​システム​の​多く​は、​厳密​に​は​2​次​および​3​次​多項式​として​モデル​化​さ​れ​た​伝達​関数​を​使用​し​ます。​キ​ャ​リ​ブ​レ​ー​ション​を​シンプル​に​保つ​ため​に​は、​伝達​関数​が​線形​で​ある​と​想定​し、​非線形​誤差​は​伝達​関数​の​2​次​または​3​次​部分​を​補う​よう​指定​し​ます。​この​誤差​は​レンジ​の​割合​の​関数​で、​読み取り​値​の​割合​の​関数​では​ありま​せん。​これ​は、​非線形​の​ピーク​誤差​は​旧​スケール​入力​範囲​内​の​あらゆる​ポイント​で​発生​する​可能性​が​ある​ため​です。​たとえば、​0.0015%​の​非線形​で​レンジ​が​2 V​の​場合、​電圧​計​に​は​さらに​0.0015%×2 = 30 µV​の​誤差​が​発生​し​ます。​この​誤差​は​確度​表​に​示​さ​れ​た​オフセット​誤差​と​一緒​に​さ​れる​こと​が​あり​ます。​許容​誤差​内​に​誤差​を​2​回​含​ま​ない​よう​に​注意​し​て​くだ​さい。

  • 波高​因子 - 信号​の​ピーク​値​の​比率​を​rms​で​表​わ​した​値​で、​次​の​数式​を​使用​し​て​計算​し​ます。
    ​ ​正弦波​の​波高​因子​は​1.414​で、​方形​波​では​1​です。​この​仕様​は、​DMM​が​過​負荷​を​導入​する​こと​なく​処理​できる​任意​波形​の​最大​値​を​示し​て​いる​ため​重要​です。​波高​因子​は​AC​測定​の​確度​に​も​影響​を​与​え​ます。​たとえば、​AC​確度​0.03%​(これ​は​常に​正弦波​に​指定​の​値)​で​1.414​~​5​間​の​波高​因子​の​追加​誤差​が​0.2%​の​DMM​では、​三角波​(波高​因子 = 1.73)​測定​における​合計​確度​は​0.03% + 0.2% = 0.23%​に​なり​ます。

  • 2​乗​平均​平方根​(rms) - AC​信号​に​割り当て​ら​れ​た​値​で、​同じ​負荷​上​で​同等​の​熱​を​発生​する​ため​に​必要​な​DC​信号​の​量​を​示し​ます。​数式​は​以下​の​よう​に​なり​ます。
    ​ ​簡素​化​した​数式​は​以下​です。
  • 真​の​rms値 - 信号​の​rms​値​を​測定​する​特定​の​方法。​この​方法​を​使用​すると、​波形の形状にかかわらず、​最も​正確​な​rms​値​を​取得​する​こと​が​でき​ます。​rms​値​の​測定​に​は​他​に、​整流器​や​平均​絶対​偏差​方法​など​が​あり​ます​が、​これらの​方法​は​正弦波​信号​のみ​で​正確​な​値​を​取得​でき​ます。

  • 2​線​式​抵抗​測定 - 2​つ​の​テスト​リード​線​を​使用​した​抵抗​測定​方法。​抵抗​を​測定​する​際、​通常​電圧​計​は​まず​測定​する​抵抗​に​電流​を​流し、​その​抵抗​に​かかる​電圧​を​測定​し​ます。​この​方法​では、​図​2​に​示す​よう​に​印加​さ​れ​た​電流​と​測定​さ​れ​た​電圧​が​同じ​一対​の​テスト​抵抗​を​使用​し​ます。

  • 4​線​式​抵抗​測定 - 4​つ​の​テスト​リード​線​を​使用​した​抵抗​測定​方法。​1​対​を​電流​に​使用​し、​もう​ひとつ​の​対​は​抵抗​に​かかる​電圧​の​検出​に​使用​し​ます。​100Ω​未満​の​抵抗​を​測定​する​に​は、​さらに​確度​の​高い​測定​方法​が​推奨​さ​れ​ます。​図​2​に​示す​よう​に、​テスト​リード​線​の​負荷​を​測定​パス​から​取り除く​こと​で​確度​を​改善​でき​ます。

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    ​図​2. 2​線​式​および​4​線​式​抵抗​測定

分解能、​精度、​確度

分解能、​精度、​および​確度​という​用語​は、​よく​互換​的​に​使用​さ​れる​場合​が​あり​ます​が、​前記​の​セクション​で​説明​した​よう​に​それぞれ​異なる​特質​が​あり​ます。​一般​的​に​考える​と、​6 ½​桁​の​マルチ​メータ​は​6 ½​桁​レベル​に対して​正確​に​思​え​ます​が、​必ずしも​そうだ​と​は​限り​ま​せん。​桁​数​は、​単に​メーター​で​表示​可能​な​数字​を​示し​た​もの​で、​入力​における​識別​可能​な​最小​変化​を​示す​もの​では​ありま​せん​(上記​の​「表示​する​桁​数」​と​「オーバー​レンジ」​を​参照。)​そのため、​計測​器​を​使用​または​評価​する​際、​桁​数​は​表示​値​で​計測​器​の​分解能​に​は​直接​関係​しない​ことに​留意​し​て​くだ​さい。

計測​器​の​感度​と​有効​分解能​が、​計測​器​で​必要​な​測定​分解能​を​実現​できる​値​で​ある​こと​を​確認​する​必要​が​あり​ます。​たとえば、​6 ½​桁​の​マルチ​メータ​は​1,999,999​カウント​または​単位​の​レンジ​を​示す​こと​が​でき​ます。​しかし、​計測​器​に​20​カウント​ピーク-​ピーク​値​の​ノイズ​が​存在​する​場合、​識別​可能​な​最小​変化​は​最低​0.52 x 20​カウント​で​ある​必要​が​あり​ます。​上記​の​数式​(4)​を​参照​した​場合、​有効​な​桁​数​は​次​の​よう​に​なり​ます。

この​誤差​は​よく​DMM​仕様​の​「パーセント​範囲」​の​下​に​追加​さ​れ​ます。​これ​は、​誤差​の​ソース​(非線形、​ノイズ、​オフセット)​を​識別​でき​ない​ため​です。

この​技術​的​仕様​の​一面​は​最初​の​デジタル​マルチ​メータ​に​当て​は​まり​ます。​この​マルチ​メータ​では、​コスト​を​抑える​ため​に​表示​さ​れる​桁​数​が​制限​さ​れ​ま​した。​さらに​洗練​さ​れ​た​デジタル​計測​器​(仮想​計測​器)​の​導入​により、​計測​器​の​表示​部分​に​かかる​コスト​は​実質​なく​なり​ます。​そのため、​常に​測定​デバイス​(コンピュータ​ベース、​PXI/​CompactPCI、​VXI、​または​GPIB​制御にかかわらず)​の​桁​数​指定​に​は​注意​を​払う​必要​が​あり​ます。​桁​数​を​表示​する​場合、​測定​デバイス​の​分解能、​確度、​非線形、​ノイズ​を​考慮​し​て​くだ​さい。​たとえば、​24​ビット​A/​D​変換​器​(ADC)​を​使用​する​計測​器​で​7​桁​の​データ​(9​を​7​つ)​を​表示​できる​と​し​ます。​しかし、​6​つ​の​最下位​ビット​に​は​ノイズ​が​存在​し​有益​な​情報​を​伝達​でき​ない​場合、​この​ADC​の​分解能​は​18​ビット​(5​桁)​に​削減​さ​れる​ので、​計測​器​ベンダ​は​5​桁​以上​を​表示​する​べ​き​では​ありま​せん。

NI 4050​および​NI 4060​デジタル​マルチ​メータ​と​NI 4350/4351​温度/​電圧​計測​器​は、​24​ビット​ADC​に基づき、​24​ビット​(7​桁)​データ​を​提供​し​ます。​しかし、​これらのガイドラインに基づき、​ユーザ​に​提供​する​情報​は、​表示される桁数と計測器の有効分解能間の関係を正常に保った​5 ½​桁​(18.6​ビット)​に​自発​的​に​制限​さ​れ​てい​ます。​ナショナル​イン​ス​ツル​メンツ​では、​この​ドキュメント​の​はじめ​に​一覧​した​分解能​の​定義​を​取り入れ​てい​いる​ため、​表示​さ​れる​桁​数​と​計測​器​の​分解能​は​一致​し​てい​ます。

計測​器​の​精度​と​確度​は​場合​によって​は​区別​が​困難​な​場合​が​あり​ます。​測定​の​再現​性​を​示す​精度​は、​計測​器​の​ノイズ​と​短期​ドリフト​によって​決定​さ​れ​ます。​(計測​器​の​長期​ドリフト​は、​長期間​にわたる​場合​に​のみ​精度​に​影響​し​ます。)​計測​器​の​精度​は​通常​直接​取得​でき​ま​せん​が、​24​時間​±1℃​仕様、​転送​比率​仕様、​ノイズ、​温度​ドリフト​など​から​推測​する​こと​が​でき​ます。​精度​は、​主に​相対​的​測定​(同じ​値​の​前回​の​読み取り​に​相対)​が​必要​な​場合​(例​として​デバイス​の​キ​ャ​リ​ブ​レ​ー​ション​など)​に​役​立ち​ます。

計測​器​の​確度​は​絶対​的​で、​キ​ャ​リ​ブ​レ​ー​ション​処理​に​起因​する​すべて​の​誤差​を​含み​ます。​確度​仕様​は​使用​する​校正​基準​に​関連​する​場合​が​ある​ことに​注意​し​て​くだ​さい。​この​よう​な​場合​は、​校正​基準​による​追加​誤差​も​許容​誤差​内​に​含む​こと​が​重要​です。

次​の​セクション​では、​許容​誤差​の​計算​方法​を​説明​し​計測​器​の​合計​確度​を​確認​し​ます。

誤差​の​計算​または​確度​の​計測

DC​測定

誤差​タイプ 読み取り​依存​誤差 ノイズ​および​レンジ​依存​誤差
指定​確度 読み取り​値​の% x 読み取り​値 / 100 オフセット
非線形 非線形​の% x レンジ / 100
システム​ノイズ rms​ノイズ x 6.6(ピーク-​ピーク​値​を​取得​する)
整​定​時間 整​定% x 手順​変更 / 100(この​値​は​確度​仕様​に​含​まれ​てい​ない​限り​スキャン​システム​に​追加​さ​れる​必要​あり)
NM​ノイズ ノーマル​モード​ノイズ x 10^(-​NMRR/​20)
CMV コモ​ン​モード​電圧 x 10^(-​CMRR/​20)
温度​ドリフト​(この​値​は​温度​範囲​は​確度​表​で​指定​さ​れ​た​範囲​外​に​ある​場合​に​追加​さ​れる) (読み取り​値​の%/​℃) x X ℃ x 読み取り​値/​100
X は​指定​温度​範囲​と​実際​の​動作​温度​間​の​温度​差​です。
(オフセット%/​℃) x X
X は​指定​温度​範囲​と​実際​の​動作​温度​間​の​温度​差​です。


​ナショナル​イン​ス​ツル​メンツ​の​NI 4350​シリーズ​5 ½​桁​温度​および​電圧​データ​ロガー​を​使用​し​て、​1 V​読み取り​値​の​合計​確度​を​計算​し​ます。​ここ​では​計測​器​の​周囲​温度​は​15​~​35℃​で、​最後​に​行​っ​た​キ​ャ​リ​ブ​レ​ー​ション​は​90​日​以上、​1​年​未満​と​想定​し​ます。​前述​の​許容​誤差​を​基​に​計算​さ​れ​た​合計​確度​は​次​の​よう​に​なり​ます。


エラー​タイプ
読み取り​エラー​の​割合
レンジ​依存​エラー
指定​確度 1 V x 0.0131% = 131 mV 3 µV
非線形 0、​確度​に​含​ま​れる
システム​ノイズ 0、​オフセット​に​含​ま​れる
整​定​時間 スキャン​による​誤差​は​仕様​表​に​含​ま​れる​ため​不要
NM​ノイズ、​1 mVrms​の​環境​ノイズ​を​想定 1 mV x 1.4 x 10^(-100/20) = 0.01 µV
CMV、​2.5 V​の​最大​CMV​を​想定 2.5 x 10^(-100/20) = 25 µV
温度​ドリフト N/​A(NI 4350​仕様​表​で​15​~​35℃​を​対象​と​する​ため) N/​A(NI 4350​仕様​表​で​15​~​35℃​を​対象​と​する​ため)
小計 131 µV 28.01 µV
合計​最大​誤差 159.01 µV​または​読み取り​値​の​0.016%



AC​測定


誤差​タイプ
読み取り​依存​誤差
レンジ​依存​誤差
特定​の​信号​周波数​範囲​で​の​指定​確度 読み取り​値​の% x 読み取り​値/​100 オフセット
非線形 非線形% x レンジ/​100
システム​ノイズ rms​ノイズ x 3.46(ピーク-​ピーク​値 x 想定​ガウスノイズ​を​取得​する)
整​定​時間 整​定% x 手順​変更 / 100(この​値​は​確度​仕様​に​含​まれ​てい​ない​限り​スキャン​システム​に​追加​さ​れる​必要​あり)
CMV コモ​ン​モード​電圧 x 10^(-​CMRR/​20)
温度​ドリフト​(この​値​は​温度​範囲​は​確度​表​で​指定​さ​れ​た​範囲​外​に​ある​場合​に​追加​さ​れる) (読み取り​値​の%/​℃) x X ℃ x 読み取り​値/​100
X は​指定​温度​範囲​から​の​温度​ドリフト​量​です。
(オフセット/​℃) x X
X は​指定​温度​範囲​から​の​温度​ドリフト​量​です。
波高​因子​誤差 X x 読み取り​値/​100
​波形​タイプ​に​基​づ​いてX%​の​誤差​を​追加。


​NI 4050 5 ½​桁​の​マルチ​メータ​を​使用​し​て​1 Vrms​読み取り​値​の​合計​確度​を​計算​し​ます。​ここ​では​計測​器​の​周囲​温度​は​15​~​35℃​で、​最後​に​行​っ​た​キ​ャ​リ​ブ​レ​ー​ション​から​1​年​が​経過​した​と​想定​し​ます。​これ​は​AC​測定​で​ある​ため、​測定​さ​れ​た​信号​の​周波数​と​波高​因子​を​指定​する​必要​が​あり​ます。​周波数​は​1 kHz、​波高​因子​は​2​と​想定​し​ます。​前述​の​許容​誤差​を​基​に​計算​さ​れ​た​合計​確度​は​次​の​よう​に​なり​ます。


誤差​タイプ
読み取り​依存​誤差
レンジ​依存​誤差
特定​の​信号​周波数​範囲​で​の​指定​確度 0.42% x 1 V = 4.2 mV 1.2 mV
非線形 仕様​表​に​含​ま​れる 仕様​表​に​含​ま​れる
システム​ノイズ 仕様​表​に​含​ま​れる
整​定​時間 この​デバイス​は​スキャン​する​DMM​では​ない​ため、​信号​の​変化​は​ない​と​想定
CMV、​250 V​の​最大​許容​CMV​を​想定 250 x 10^(-100/20) = 2.5 mV
温度​ドリフト 温度​範囲​は​仕様​表​に​含​ま​れる​ため​該当​しない
波高​因子​誤差 0% x 1 V/​100 = 0 mV
小計 4.2 mV 3.7 mV
合計​最大​誤差 7.9 mV​または​読み取り​値​の​0.79%

まとめ

DMM​または​仮想​計測​器​を​使用​する​場合、​測定​デバイス​の​特性​を​定義​する​すべて​の​パラメータ​を​明確​に​理解​し​て​おく​こと​が​重要​に​なり​ます。​データ​シート​に​一覧​さ​れ​た​桁​数​は​重要​な​情報​ですが、​この​パラメータ​だけ​を​基​に​判断​を​行​って​はい​け​ま​せん。​アプリケーション​の​確度​および​分解能​要件​を​確認​する​こと​で、​使用​を​考慮​し​て​いる​測定​デバイス​の​合計​許容​誤差​を​算出​し​て、​この​デバイス​が​必要​要件​を​満たせる​か​検証​でき​ます。​データ​シート​に​ある​仕様​で​質問​が​ある​場合​は、​ベンダー​に​問い合わせ​て​くだ​さい。​使用​する​計測​器​の​性能​を​熟知​せ​ず​に​使用​すると、​誤​っ​た​読み取り​を​行う​可能性​が​あり、​その​結果、​大きな​代償​を​払う​ことに​なり​ます。

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