NI PXIハードウェアLabVIEWで、テレマティクス制御装置テストかかるコスト削減

DGE Inc、Stephan Tarnutzer

「NIソフトウェアハードウェア組み合わせことで、少人数でも複雑シミュレータ短期間開発することできした」

- DGE Inc、Stephan Tarnutzer

課題:

車両におけるテレマティクス制御装置 (TCU) の統合を、路上での走行テストではなく研究所で迅速かつ効率的にテストできるツールを開発する。

ソリューション:

NIのPXIプラットフォームとNI LabVIEWを使用して車両ドライブシミュレータ (VDS) を開発し、路上での走行経験に基づいたTCUテストを制御された環境で実施する。

アトランタを拠点とするHUGHES Telematics社では、自動車の価値や使い心地、利便性、効率、安全性、セキュリティを高める車両/運転者中心のソリューションを設計、開発、管理しています。HUGHES Telematics社のエンジニアリングの一環として、ミシガン州Rochester Hillsを拠点とする自動車/運輸業界向け総合エンジニアリングおよび設計企業のDGE社では、車両におけるTCU統合をすばやく効率的にテストするためのツールを開発しました。VDSを使用することで、TCUメーカーとOEMは、テスト車を使用しなくても制御された環境で通信機能を検証することが可能となります。

 

 

HUGHES Telematics社は、路上走行時に関連するセルラー、衛星、CAN (コントローラエリアネットワーク) 信号をシミュレーションできるVDSを開発するよう、DGE社に依頼しました。テストシステムはTCUに関連するフィードバックを管理し、特定の車両の個々の項目や全走行関連データをシミュレーションするための気候、RF信号反射、地理的位置、経路を含む構成ファイルはユーザがロードできます。TCUの動作を評価するため、バッテリやグランドの開回路や短絡回路、衛星やセルラーの異常といった欠陥も組み込むことができます。また、設計チームとテストチームが離れた場所でもシステムを使えるように、リモートでスクリプトを実行することも可能です。

 

複数サブシステムVDS制御・監視

このアプリケーションでは、GPS衛星、GSMセルラーネットワーク、ハードウェアI/O、車両ネットワーク通信などを含む仮想走行シナリオを作成して、自動車テレマティクス制御装置を開発しテストすることができます。ラックPCでLabVIEWソフトウェアに基づいたグラフィカルユーザインタフェース (GUI) を使用し、複数のテレマティクス関連サブシステムとI/Oサブシステムを制御します。GUIは下記のサブシステムを制御・監視することができます。

  • 車両の構成データ
  • TCU (テレマティクス制御装置) インタフェース
  • GPS衛星インタフェース
  • セルラーインタフェース
  • 車両のCANシミュレーション
  • 車両診断
  • フォルト生成
  • 電源
  • サブシステムのスクリプト/モデル
  • サブシステムロギング

 

 

NIプラットフォーム使用VDS開発

走行車両をリアルにシミュレーションするには、走行シナリオのさまざまな要素を組み合わせて、同期する必要がありました。各シミュレーション要素には、走行車両を正確に再現するために重要なオプションや設定が多数あります。

 

時間は貴重な資源なので、VDS用のGUIの作成にはLabVIEWを使用しました。そのためGPS衛星やGSMセルラーネットワークシミュレータとの複雑なサブシステムインタフェースも短期間で作成することができました。さらに検証時には極めて複雑性の高いスクリプトもVDSで実行することが必要になります。新しいスクリプト言語を作り出すことなく、VDSのGUIに含まれるすべての制御へのアクセスを可能にする安定したリモートリンクを短時間で作成することができました。このソリューションを使用すれば、ホスト言語でスクリプトを作成することができます。

 

NIのソフトウェアとハードウェアを組み合わせたことで、少人数でも複雑なシミュレータを短期間で開発することができました。LabVIEWライブラリには、VDSサブシステムの統合を簡素化するVIが含まれています。LabVIEWグラフィカルプログラミング環境でソフトウェアを開発しなければ、我々のプロジェクトは時間どおりに進まなかったでしょう。またLabVIEWでは、NI製以外のすべてのシステムコンポーネントとの通信も可能です。

 

さらに、NI PXI-8105デュアルコア2.0 GHzコントローラ、NI PXI-6259 Mシリーズデータ収集モジュール、NI PXI-6602カウンタ/タイマモジュール、NI PXI-6723アナログ出力モジュールなどのNIハードウェアが当社のシステムの基幹となっており、NI製品の速度と確度に助けられています。

 

VDS変わるテレクスシステムテスト

VDSシステムを使用して、TCUを車両環境に統合するのにかかる時間を大幅に短縮することができました。VDSを使用することで、TCUメーカーとOEMは、路上でテストしなくても通信機能を検証することが可能となります。どのような道路や気象、電磁波条件もVDSでシミュレーションできるため、テストに適した場所や時間を探す必要がなくなります。装置や人員のための輸送費を使って世界各地で走行試験を行わなくても、研究所でシミュレーションを行うことができます。何台ものOEM車両を使って路上テストを行うことなく、研究所でTCUの機能を検証することが可能なのです。

 

柔軟性と拡張性に優れたVDSを使用すると、将来のテレマティクスシステム開発に合わせてプラットフォームを変えることができ、テストエンジニアはOEMテスト車から得た実験データだけに頼る必要がなくなります。さらに、閉ループシステムを使用して、制御された再現可能なテストシナリオを作成することができます。そのようなシナリオを実現するのは、テスト車両ではほぼ不可能です。その結果、VDSはテレマティクス業界のテストシステムとして比類のない存在となっています。

 

作成情報:

Stephan Tarnutzer
DGE Inc.
2870 Technology Drive
Rochester Hills, MI 48309
電話: (248) 293-1300
ファックス: (248) 293-1309

DGE車両ドライブシミュレータシステムには、NIのソフトウェアとハードウェアが使用されています。
車両ドライブシミュレータGUI