TriQuint Semiconductor​社、​PXI​と​LabVIEW​で​RF​パワー​アンプ​の​特性​評価​時間​を​短縮

Gary Shipley, Qorvo

""NI​の​PXI​によって、​新た​な​パワー​アンプ​製品​の​特性​評価​に​要する​時間​を​2​週間​から​約​1​日​に​まで​短縮​する​こと​が​でき​ま​した"" ​

- Gary Shipley, Qorvo

課題:

ます​ます​複雑​化​が​進む​携帯​電話​用​パワー​アンプ​(PA)​の​特性​評価​に​かかる​時間​を、​計測​精度​の​低下​や​設備​投資​費用​の​増加​を​生​じ​させる​こと​なく​短縮​する。 ​

ソリューション:

NI LabVIEW​ソフトウェア​と​NI PXI​モジュール​式​計測​器​を​使用​し​て、​設備​投資、​消費​電力、​物理​的​な​占有​面積​を​削減​し​つつ、​テスト​の​スループット​を​10​倍​に​高める​PA​用​の​特性​評価​システム​を​開発​する。 ​

TriQuint Semiconductor​社​について

TriQuint Semiconductor​社​は、​高度​な​モバイル​機器、​防衛/​航空​宇宙​アプリケーション、​ネットワーク​インフラ​ストラクチャ​など​の​用途​に​向け​た​高性能​の​RF​ソリューション​で​業界​を​リード​し​てい​ます。​現在、​TriQuint​社​は​GaAs(ガリウム​ヒ素)、​GaN(ガリウム​ナイト​ライ​ド)、​あるいは​SAW(表面​弾性​波)、​BAW(バルク​波)​といった​技術​を​駆使​した​革新​的​な​ソリューション​を​世界中​の​ユーザー​に​提供​し​てい​ます。​TriQuint​社​の​イノベーション​は、​アプリケーション​の​性能​向上​と、​コスト​削減​の​ため​の​手段​として​エンジニア​や​科学​者​から​の​信頼​を​獲得​し​てい​ます。

 

PA​の​特性​評価​手法​が​抱える​課題

従来、​携帯​電話​向け​の​PA​は​単一​の​帯域、​単一​の​モード​に​対応​する​よう​に​設計​さ​れ​てい​ま​した。​それ​に対し、​今日​の​RF​用途​向け​PA​に​は、​かなり​多様​な​要件​を​満たす​こと​が​求め​ら​れ​てい​ます。​実際、​最新​の​PA​は、​8​つ​以上​の​周波数​帯​に​対応​する​とともに、​GSM(Global System for Mobile Communications)、​EDGE(Enhanced Data GSM Environment)、​W-​CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、​HSPA​+​(High Speed Packet Access Plus)、​LTE(Long Term Evolution)​といった​複数​の​変調​方式​に​対応​可能​な​もの​として​設計​さ​れ​てい​ます。

 

当社​(TriQuint Semiconductor​社)​は、​このように​ます​ます​複雑​化​が​進む​RF​用途​向け​PA​製品​に対し、​さまざま​な​条件​で​テスト​を​行​わな​け​れ​ば​なら​ない​こと​を​1​つ​の​課題​として​とら​えて​いま​した。​周波数、​電源​電圧、​温度、​出力​電力​といった​項目​の​それぞれ​を​広い​範囲​で​変化​さ​せ​て​テスト​を​実施​する​必要​が​あっ​た​の​です。​一般​的​な​電子​部品​の​特性​評価​を​完全​に​行う​ため​に​は、​3​~​4​万​行​もの​データ​を​取得​し​て、​回路​を​くま​なく​テスト​する​必要​が​あり​ます。​従来​の​ラック​&​スタック​式​RF​テスト​装置​を​使用​した​場合、​1​行​の​データ​の​収集​に​約​10​秒​かかる​ため、​1​つ​の​製品​を​テスト​する​の​に​110​時間​以上​もの​時間​が​か​かって​いま​した。

 

PXI​テスト​システム​の​設計

上述​した​よう​に、​当社​は​RF​部品​の​特性​評価​に​かかる​時間​を​短縮​する​必要​に​迫​ら​れ​てい​ま​した。​そこで、​当社​は、NI​の​PXI​製品LabVIEWNI TestStandを​ベース​と​する​PA​用​の​特性​評価​テスト​システム​を​新た​に​開発​する​ことに​しま​した。​その​テスト​ベンチ​の​構成​要素​は​以下​の​とおり​です。

● NI PXIe-5673(6.6 GHz​対応​の​ベクトル​信号​発生​器)

● NI PXIe-5663(6.6 GHz​対応​の​ベクトル​信号​アナ​ラ​イザ)

● NI PXI-5691(プログラム​設定​が​可能​な​8 GHz​対応​の​RF​アンプ)

● NI PXIe-5122(100 MS/​秒​の​高速​デジタイザ)

● NI PXI-2596(26.5 GHz​対応​で​2​バンク​の​6×1​マルチプレクサ)

● 100 M​ビット/​秒​の​デジタル​I/​O​モジュール

● 従来​型​の​ラック​&​スタック​式​スペクトル​アナ​ラ​イザ

● 外​付け​の​電源​と​電力計

● LabVIEW

● NI TestStand

 

当社​は、​LabVIEW​ソフトウェア​を​使用​し​て​既存​の​計測​シーケンス​を​NI PXI​ベース​の​テスト​ベンチ​上​で​実行​する​よう​に、​テスト​プラン​を​変更​しま​した。​PXI​テスト​システム​の​ほうが​計測​速度​が​速​か​っ​た​ので、​可能​な​限り​PXI​テスト​システム​を​使用​し、​必要​な​場合​だけ​従来​の​ラック​&​スタック​式​の​計測​器​で​補完​する​よう、​特性​評価​の​シーケンス​を​構成​しま​した。

 

NI PXI​が​もたらす​メリット

PXI​の​採用​を​決定​した​主​な​理由​の​1​つ​は、​計測​精度​を​落とす​こと​なく、​計測​速度​を​高める​こと​が​可能​だ​っ​た​点​です。​従来​の​PA​用​テスト​ベンチ​では、​RF​計測​に​かかる​時間​が、​特性​評価​に​必要​な​時間​の​大部分​を​占​め​てい​ま​した。​NI PXI​を​採用​した​こと​で、​PXI​システム​による​計測​時間​を​短縮​する​ため​の​いくつか​の​重要​な​技術​を​利用​する​こと​が​でき​ま​した。​NI PXI​では、​高速​データバス、​高性能​マルチ​コア​CPU、​並列​計測​アルゴリズム​を​活用​する​こと​で、​可能​な​限り​の​テスト​時間​短縮​を​図る​こと​が​でき​ます。​また、​NI GSM/​EDGE​計測​ツール​キット​や​NI WCDMA/​HSPA​+信号​計測​ツール​キット​を​利用​す​れ​ば​複合​計測​が​可能​に​なり、​単一​の​I/​Q​データセット​に対して​すべて​の​計測​を​同時に​実行​する​こと​が​可能​です。​これらの​ツール​キット​を​使用​する​こと​によって、​ゲイ​ン、​効率、​平坦​性、​ACP(隣接​チャネル​漏洩​電力)、​ACLR(隣接​チャネル​漏洩​電力​比)、​EVM(エラー​ベクトル​振幅)、​PVT(電力​対​時間)​といった​PA​の​各種​特性​を​計測​する​こと​が​できる​よう​に​なり​ま​した。

 

PXI​の​採用​で​得​ら​れ​た​成果

PXI​ベース​の​テスト​ベンチ​を​使​って​一連​の​計測​を​実行​する​こと​により、​PA​の​特性​評価​に​要する​時間​を​従来​の​2​週間​から​約​24​時間​に​まで​短縮​する​こと​が​でき​ま​した。​また、​GSM、​EDGE、​W-​CDMA​の​テスト​に​かかる​時間​も、​それぞれ​大幅​に​改善​さ​れ​ま​した。​表​1​は、​従来​の​テスト​ベンチ​と​PXI​ベース​の​テスト​ベンチ​の​それぞれ​による​計測​時間​と​計測​速度​の​比率​を​示し​た​もの​です。

 

従来​の​テスト​ベンチ​による​テスト​時間

PXI​ベース​の​テスト​ベンチ​による​テスト​時間

計測​速度​の​比率

 

GSM テスト

6

1.1

6X

EDGE テスト

14

1.1

14X

WCDMA テスト

9

1.1

9X

表​1. それぞれ​の​計測​シーケンス​の​実行​速度​は、​PXI​テスト​ベンチ​の​ほうが​6​~​14​倍速​い。​表​に​示し​た​テスト​時間​は、​100​フレーム​の​計測​に対する​もの​で​ある。

 

結論

NI PXI​モジュール​式​計測​器​を​使用​する​こと​により、​計測​精度​を​落とす​こと​なく、​PA​の​特性​評価​に​かかる​時間​を​大幅​に​短縮​する​こと​が​でき​ま​した。​また、​新た​な​PXI​テスト​システム​は、​それ​まで​に​使用​し​てい​た​従来​型​の​計測​器​と​同じ​か、​それ​を​下回る​コスト​で​構築​する​こと​が​でき​ま​した。​当社​は、​今後​も​テスト​システム​の​構築​に​NI PXI​を​採用​する​つもり​です。

 

著者​情報:

Gary Shipley
Qorvo

Figure 1. ​The PXI test bench performed six to 11 times faster for individual measurement sequences. The times are based on measurements of 100 frames.