From Friday, April 19th (11:00 PM CDT) through Saturday, April 20th (2:00 PM CDT), 2024, ni.com will undergo system upgrades that may result in temporary service interruption.
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Gary Shipley, Qorvo
ますます複雑化が進む携帯電話用パワーアンプ(PA)の特性評価にかかる時間を、計測精度の低下や設備投資費用の増加を生じさせることなく短縮する。
NI LabVIEWソフトウェアとNI PXIモジュール式計測器を使用して、設備投資、消費電力、物理的な占有面積を削減しつつ、テストのスループットを10倍に高めるPA用の特性評価システムを開発する。
TriQuint Semiconductor社は、高度なモバイル機器、防衛/航空宇宙アプリケーション、ネットワークインフラストラクチャなどの用途に向けた高性能のRFソリューションで業界をリードしています。現在、TriQuint社はGaAs(ガリウムヒ素)、GaN(ガリウムナイトライド)、あるいはSAW(表面弾性波)、BAW(バルク波)といった技術を駆使した革新的なソリューションを世界中のユーザーに提供しています。TriQuint社のイノベーションは、アプリケーションの性能向上と、コスト削減のための手段としてエンジニアや科学者からの信頼を獲得しています。
従来、携帯電話向けのPAは単一の帯域、単一のモードに対応するように設計されていました。それに対し、今日のRF用途向けPAには、かなり多様な要件を満たすことが求められています。実際、最新のPAは、8つ以上の周波数帯に対応するとともに、GSM(Global System for Mobile Communications)、EDGE(Enhanced Data GSM Environment)、W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、HSPA+(High Speed Packet Access Plus)、LTE(Long Term Evolution)といった複数の変調方式に対応可能なものとして設計されています。
当社(TriQuint Semiconductor社)は、このようにますます複雑化が進むRF用途向けPA製品に対し、さまざまな条件でテストを行わなければならないことを1つの課題としてとらえていました。周波数、電源電圧、温度、出力電力といった項目のそれぞれを広い範囲で変化させてテストを実施する必要があったのです。一般的な電子部品の特性評価を完全に行うためには、3~4万行ものデータを取得して、回路をくまなくテストする必要があります。従来のラック&スタック式RFテスト装置を使用した場合、1行のデータの収集に約10秒かかるため、1つの製品をテストするのに110時間以上もの時間がかかっていました。
上述したように、当社はRF部品の特性評価にかかる時間を短縮する必要に迫られていました。そこで、当社は、NIのPXI製品、LabVIEW、NI TestStandをベースとするPA用の特性評価テストシステムを新たに開発することにしました。そのテストベンチの構成要素は以下のとおりです。
● NI PXIe-5673(6.6 GHz対応のベクトル信号発生器)
● NI PXIe-5663(6.6 GHz対応のベクトル信号アナライザ)
● NI PXI-5691(プログラム設定が可能な8 GHz対応のRFアンプ)
● NI PXIe-5122(100 MS/秒の高速デジタイザ)
● NI PXI-2596(26.5 GHz対応で2バンクの6×1マルチプレクサ)
● 100 Mビット/秒のデジタルI/Oモジュール
● 従来型のラック&スタック式スペクトルアナライザ
● 外付けの電源と電力計
● LabVIEW
● NI TestStand
当社は、LabVIEWソフトウェアを使用して既存の計測シーケンスをNI PXIベースのテストベンチ上で実行するように、テストプランを変更しました。PXIテストシステムのほうが計測速度が速かったので、可能な限りPXIテストシステムを使用し、必要な場合だけ従来のラック&スタック式の計測器で補完するよう、特性評価のシーケンスを構成しました。
PXIの採用を決定した主な理由の1つは、計測精度を落とすことなく、計測速度を高めることが可能だった点です。従来のPA用テストベンチでは、RF計測にかかる時間が、特性評価に必要な時間の大部分を占めていました。NI PXIを採用したことで、PXIシステムによる計測時間を短縮するためのいくつかの重要な技術を利用することができました。NI PXIでは、高速データバス、高性能マルチコアCPU、並列計測アルゴリズムを活用することで、可能な限りのテスト時間短縮を図ることができます。また、NI GSM/EDGE計測ツールキットやNI WCDMA/HSPA+信号計測ツールキットを利用すれば複合計測が可能になり、単一のI/Qデータセットに対してすべての計測を同時に実行することが可能です。これらのツールキットを使用することによって、ゲイン、効率、平坦性、ACP(隣接チャネル漏洩電力)、ACLR(隣接チャネル漏洩電力比)、EVM(エラーベクトル振幅)、PVT(電力対時間)といったPAの各種特性を計測することができるようになりました。
PXIベースのテストベンチを使って一連の計測を実行することにより、PAの特性評価に要する時間を従来の2週間から約24時間にまで短縮することができました。また、GSM、EDGE、W-CDMAのテストにかかる時間も、それぞれ大幅に改善されました。表1は、従来のテストベンチとPXIベースのテストベンチのそれぞれによる計測時間と計測速度の比率を示したものです。
従来のテストベンチによるテスト時間 | PXIベースのテストベンチによるテスト時間 | 計測速度の比率
| |
GSM テスト | 6 | 1.1 | 6X |
EDGE テスト | 14 | 1.1 | 14X |
WCDMA テスト | 9 | 1.1 | 9X |
表1. それぞれの計測シーケンスの実行速度は、PXIテストベンチのほうが6~14倍速い。表に示したテスト時間は、100フレームの計測に対するものである。
NI PXIモジュール式計測器を使用することにより、計測精度を落とすことなく、PAの特性評価にかかる時間を大幅に短縮することができました。また、新たなPXIテストシステムは、それまでに使用していた従来型の計測器と同じか、それを下回るコストで構築することができました。当社は、今後もテストシステムの構築にNI PXIを採用するつもりです。
Gary Shipley
Qorvo