LabVIEWNI RIOテクノロジによる油井フラクリングポンプ監視解析

Robert Stewart, CEO, Lime Instruments, LLC

"LabVIEW使用したことで、従来Cベースプログラミング比べソフトウェア開発期間大幅短縮した。Cプログラマ通常なら2かかるプログラミングでも2ヶ月完了できるので、その時間だけ早く市場投入でき、競合他社時間収益つなげることできます。"

- Robert Stewart, CEO, Lime Instruments, LLC

課題:

油井業務用のポンプに直接設置する過酷な環境でも動作し、センサデータに関する高度な解析を実行する優れた監視システムを構築する。

ソリューション:

NI CompactRIOおよびNIシングルボードRIOのハードウェアとNI LabVIEWソフトウェアを利用して、油井業務の用途で往復運動を繰り返すポンプの動作パラメータを監視するポンプ監視システムを設計した。

Supreme Electrical Services社は、関連するすべての業種で制御/計測テクノロジを一括して取り扱うインテグレータとしてトップを目指しています。利用可能な最高の市販ハードウェアを統合して、しかも油田に共通する過酷な環境に耐えうる形で提供すること、それが当社の目標です。NIのハードウェアとLabVIEWソフトウェアがこうした用途に最適なソリューションであると考えた結果、当社ではこれを制御システム全体のバックボーンとして採用しました。

 

 

比較検討した他のハードウェアソリューションでは、油井で稼動しているフラクチャリングポンプの一時的な圧力スパイクや振動の兆候を捕捉できるだけの高速I/Oと解析を実現できませんでした。FPGA(Field-Programmable Gate Array)と、高速フーリエ変換(FFT:fast Fourier transform)によるデータ解析の機能を持つCompactRIONIシングルボードRIO、およびLabVIEWは、このような用途に理想的なソリューションです。

 

油井監視システム

当社の油井監視システムは、ポンプの稼動に不可欠なコンポーネントの性能を監視するように設計されています。予備製品では、坑井刺激用の高圧フラクチャリングポンプを監視することに重点を置いています。各フラクチャリングユニットは、高馬力のディーゼルエンジンと、3シリンダまたは4シリンダのポンプに接続した変速器を備えており、エンジンと変速器のどちらにも、ユニット稼動中に重要な機能を監視して診断情報を通知する電気的なインタフェースがあります。エンジンと変速器は、SAE J1939通信プロトコルを介して監視したデータを出力します。

現在この業界で使われているポンプには、重要な動作パラメータを監視する個別のセンサが3つ以上は装備されていません。通常は吐き出し圧力、RPM、潤滑油の圧力と温度が監視されますが、各パラメータは個々のセンサとメイン制御コンソールにつながる信号ケーブルによって測定されます。

 

当社の製品の目的は、これらの機能を含めた各機能を監視し、同じSAE J1939コントローラエリアネットワーク(CAN:Controller Area Network)プロトコルを利用してデータをメイン制御コンソールに転送することです。そのため当社のシステムは、通常動作の範囲外や障害発生時にもデータ特性を追跡できなければなりません。そのようなリアルタイムの情報があれば、オペレータはポンプから送信される実際の性能情報に基づいて稼動を停止するか続行するかを判断できます。最終的には、このシステムによってポンプの故障が大幅に減り、ポンプの保守コストも削減されるはずです。


CompactRIOLabVIEWによる強固デプロイメント

当社の目的に、CompactRIOほど適したハードウェアパッケージはありません。LabVIEWを使えば、他のほとんどのプログラミング環境より短時間でソフトウェアを開発できる点も重要です。LabVIEWでは、従来のCベースのプログラミングに比べてソフトウェア開発にかかる期間が大幅に短縮されます。Cのプログラマが通常なら2年かかるプログラミングでも2ヶ月で完了できるので、その時間だけ早く市場に投入でき、競合他社との時間差を収益につなげることができます。

 

当社では、LabVIEWソフトウェアプラットフォームをリアルタイムプロセッサやFPGA、CompactRIOシステムとのI/Oのプログラミングに利用しているほか、この業界で一般的な油井業務と坑井刺激のあらゆる面を制御・監視するインタフェースにも活用しています。モジュール式のI/Oと堅牢なCompactRIOは、世界中の油田で坑井を往復する装置の可動部分に取り付けられたときの衝撃や振動に耐え、低温から高温までの広い温度範囲にも対応できる理想的なシステムであると当社は考えています。

 

LabVIEWとナショナルインスツルメンツのハードウェアは開放性が高いので、以下のような様々なセンサ、ソフトウェア、プロトコルとのインタフェースが容易です。

  • センサ: 圧力トランスデューサ、磁気ピックアップセンサ、デジタルエンコーダ、温度センサ、放射性物質濃度計、電磁流量計、Correollis流量計、その他
  • ソフトウェア: コイルチューブの疲労、掘削シミュレーションソフトウェア
  • オペレーティングシステム: Windows XP Embedded、Windows CE、Linux®
  • 業界固有のプロトコル: SAE J1939、J1587、J1708、Modbus、Ethernet、802.11、PROFIBUS

 

NIシングルボードRIOによるカスタムプロメント

NIシングルボードRIOはフォームファクタが小さく低コストであるため、カスタムソリューションを顧客に提供するうえで大きな利用価値を持つと当社は考えています。CompactRIOとNIシングルボードRIOを利用すれば、当社の監視システムに各種のフォームファクタと小売価格を設定することが可能です。

 

また、NI標準の再構成可能I/O(RIO)ハードウェアアーキテクチャとLabVIEWを利用すれば、CompactRIOからNIシングルボードRIOへの移行も極めて迅速かつシームレスに行えます。NIシングルボードRIOとCompactRIOはハードウェアアーキテクチャが共通なので、LabVIEWのコードを大幅に書き換えなくても、NIシングルボードRIOハードウェアで再利用できます。

 

ナショナルインツルメンツソリューションもたらすメリット

NIの製品品質とサポート水準に、当社は大変満足しています。技術的な問題は早急に対処され、アプリケーションの完成までフォローされました。サポートエンジニアからセールスエンジニアまでNIの誰もが、NI製品ラインについて技術面でもビジネス面でも深い知識を持っています。そのような専門家集団の協力を得られることに、当社は大変感謝しています。

 

著者情報:

Robert Stewart, CEO
Lime Instruments, LLC

While our protoype monitoring system is built using CompactRIO, since CompactRIO and NI Single-Board RIO have the same hardware architecture, we can switch easily between the two form factors without any major coding changes.
The goal of our product is to monitor several operating parameters and transmit that data back to the main control console.
Both the engine and the transmission come equipped with an electronic interface that monitors critical functions and provides diagnostic information as the unit is running.