ネバダ​大学:​LabVIEW、​PXI、​および​CompactRIO​を​使用​した​橋梁​に対する​地震​の​影響​の​測定

Dr. Patrick Laplace, Ph.D., University of Nevada, Reno

"ナショナル​イン​ス​ツル​メンツ​の​ハードウェア​は​モジュール​式​の​ため、​1​つ​の​プラットフォーム​を​使用​し​て​いくつ​もの​異なる​現象​を​計測​し、​複数​の​システム​間​で​これらの​計測​を​同期​できる​の​です。" ​

- Dr. Patrick Laplace, Ph.D., University of Nevada, Reno

課題:

自動車​サスペンション​システム​が​地震​の​最中​に​曲線​橋​など​の​複雑​な​構造​と​どの​よう​な​相互作用​を​起こす​か​を​高​確度​に​テスト​する。 ​

ソリューション:

大規模​な​部分​的​橋梁​を​構築​し​て、​地震​を​シミュレート​する​大規模​な​油圧​式​振動​台​を​使用​し​て​テスト​を​行う。​NI LabVIEW​ソフトウェア​と​PXI​ソフトウェア​で​歪み、​力、​および​変位​など​の​計測​を​行い、​支持​構造​の​動き、​および​橋梁​と​車両​の​動き​の​特性​評価​を​行う。 ​

概要

以前、​地震​荷重​下​で​橋梁​を​テスト​する​に​は、​橋​の​側面​に​ブルドーザー​を​ワイヤ​ロープ​で​つなぎ、​引っ​張​って​おい​て​から、​ケーブル​を​切断​し​て​橋​を​解放​し、​振動​さ​せ​てい​ま​した。​この​方法​は、​建造​物​の​動的​特性​の​いくらか​を​判断​する​の​に​有効​では​あっ​た​ものの、​潜在​性​の​ある​橋​の​候補​を​見つける​の​が​大変​困難​で​した。​その​結果、​私​たち​は​橋​を​研究所​に​持ち込む​ことに​しま​した。​1990​年、​最初​の​大規模​な​研究所​を​建築​し、​最大​積載​量​50​トン​の​振動​台​を​2​台​装備​しま​した。


最初​は​橋脚​を​使用​し​てい​た​の​ですが、​すぐ​に​ニーズ​が​拡大​し、​数​台​の​計測​器​と​ブラックボックス​化​さ​れ​た​ソフトウェア​で​構成​さ​れ​た​データ​集録​システム​では、​ケーブル​を​切断​でき​ない​ことに​なり​ま​した。​その​時点​で、​NI​ハードウェア​および​NI LabVIEWソフトウェア​を​選択​した​の​は、​アイデア​を​す​ば​やく​試作​できる​こと​と、​計測​および​信号​調節​の​範囲​が​無限​で​ある​こと​が​理由​で​した。​現在、​4​台​の​振動​台、​多数​の​NI​システム​が​あり、​2​つめ​の​研究所​を​建築​中​です。​数百​本​の​橋脚、​いくつ​もの​橋、​数​千​回​の​テスト、​その後​出力​さ​れる​ギガバイト​単位​の​膨大​な​データ​を​使用​し​て、​荷物​を​満載​に​した​トラック​を​6​台​載​せ​た​最も​大きな​曲線​橋​を​テスト​しま​した。

 

調査​の​目標

ネバダ​大学​リ​ノ​校​は、​地震​工学​の​最先端​の​研究​施設​の​一つ​で、​地震​エンジニアリング​シミュレーション​ネットワーク​(NEES:Network of Earthquake Engineering Simulation)​の​メンバー​でも​あり​ます。​地震/​構造​工学​では、​荷重​を​支持​した​り、​荷重​に対して​抵抗​した​り​する​構造​の​解析​および​設計​を​行い​ます。​これらの​荷重​は、​橋​の​上​における​交通​量​や​建築物​の​中​の​家具​の​荷重​など、​「使用」​荷重​の​場合​も​あれ​ば、​風、​洪水、​地震​など​の​「極限」​荷重​の​場合​も​あり​ます。

 

通常、​橋​の​設計​に​は、​自動車​や​地震​による​活​荷重​といった​それぞれ​の​荷重​条件​を​使用​し​ます。​ただし、​橋​は、​同時に​これらの​条件​両方​に​合わせ​て​設計​さ​れ​てい​ま​せん。​コンピュータ​では​完全​な​橋梁​システム​を​モデル​化​でき​て​も、​その​モデル​化​の​仮定​は​物理​的​な​テスト​の​裏付け​なし​では​どれ​程​正確​な​もの​で​しょう​か。​橋​の​上​が​交通​渋滞​に​見舞​われ​た​ラッシュアワー​時に​地震​が​発生​した​と​したら、​どう​なる​で​しょう。

 

実施​さ​れ​た​一連​の​テスト​によって、​ネバダ​大学​の​研究生​および​大学院生​は​コンピュータ​による​モデル​および​シミュレーション​を​キ​ャ​リ​ブ​レ​ー​ション​する​こと​が​でき​ます。​また、​現職​の​エンジニア​は、​地震​発生​中​の​橋梁​応答​に対する​車両​の​影響​を​把握​する​こと​が​できる​ため、​最終​的​に​は​設計​コード​が​変更​さ​れる​場合​も​あり​ます。

 

 

 

実装

私たちは好きなときに地震を発生させて、​橋梁​と​その​上​に​載​って​いる​車両​の​両方​へ​の​影響​を​計測​できる​よう​に​した​いと​考え​ま​した。​これ​を​実現​する​ため、​研究所​の​端​から​端​まで​に​及ぶ​曲線​橋​の​モデル​を​4​つ​の​MTS​システム​振動​台​の​上​に​作成​しま​した。​研究所​の​中​に​全て​が​収まる​よう​に、​40​パーセント​縮小​モデル​を​使用​し​て、​3​セクション​に​分かれ​た​橋​(長​さ​145​フィート、​高​さ​16​フィート、​半径​80​フィート)​を​再現​しま​した。​そして、​活​荷重​を​シミュレート​する​ため​に、​砂​を​積​ん​だ​商用​トラック​6​台​を​1​列​に​橋​の​上​に​配置​しま​した。​これらの​荷重​が​橋梁​応答​を​鈍​く​させる​か​増幅​させる​か​を​知る​こと​が​目的​で​した。

 

データ​集録​システム​は​多数​の​調整​済み​チャンネル​を​リアルタイム​で​計測​し​て、​全て​の​データ​を​確実​に​集録​する​必要​が​ありま​した。​振動​台、​データ​集録​システム、​コントローラ、​および​データ​解析​マシン​は​常に​完璧​な​状態​で​揃​って​機能​する​必要​が​あり​ます。​また、​全て​の​システム​が​ロック​ステップ​方式​で​相互​に​通信​し、​動作​する​必要​が​あり​ます。   

 

 

 


NI LabVIEW Real-​Time​モジュールは​簡単​に​プログラミング​できる​ため、​確定​性​に​優​れ​た​システム​を​迅速​な​プロセス​で​作成​でき​ます。​NI LabVIEW Real Time​モジュール​の​重要​な​要素​は、​複数​の​コア​で​動作​する​という​独自​の​機能​です。​全て​の​コア​は​全て​の​マシン​で​処理​負荷​を​分散​し​て、​可能​な​限り​タスク​を​最適​化​し​ます。​マシン​間​の​通信​を​スムーズ​に​する​ため​に​は、​Curtiss-​Wright/​Systran​社​製​の​SCRAMNet​リ​フ​レ​ク​テ​ィ​ブ​メモリ​を​選択​しま​した。​リ​フ​レ​ク​テ​ィ​ブ​メモリ​は​物理​的​に​分離​した​コンピュータ​間​で​シンプル​に​共有​さ​れ​た​メモリ​です。​1​ヶ所​の​メモリ​に​書き​込​まれ​た​データ​は​ほとんど​瞬時​に​光​ファイバ​ケーブル​経由​で​その他​の​ノード​全て​に​転送​さ​れ​ます。​この​転送​を​処理​する​の​は​ScramNET​ハードウェア​で、​読み取り、​書き込み、​および​IRQ​監視​は​LabVIEW​が​行い​ます。​このように​し​て、​必要​な​通信​および​クロック​が​実現​し​ます。

 

 

アーキテクチャ

私​たち​は​NI​ハードウェア、​NI LabVIEW​ソフトウェア、​および​NI LabVIEW Real-​Time​モジュール​を​使用​し​て、​広い​範囲​に​配置​さ​れ​た​次​の​システム​を​シームレス​に​接続​しま​した。

  • 4​つ​の​物理​的​に​独立​した​DAQ​システム​(各​システム​は​次​を​含む)
    • NI LabVIEW Real-​Time​モジュール​を​実行​する​ク​アッ​ド​コア​コントローラ​1つ
    • NI M​シリーズ​DAQデバイス​1つ
    • リ​フ​レ​ク​テ​ィ​ブ​メモリ​(RM)​ノード​1つ
    • NI SCXI-1001シャー​シ​2つ
    • NI SCXI-1520NI SCXI-1314T調節​器​を​使用​した​104​の​チャンネル
  • 内部​で​全て​TEDS​プラグ​アンド​プ​レイ​セン​サ​に​変換​さ​れ​た​計測​器​400​以上
  • RM​ノード​が​付​い​た​振動​台​コントローラ​2つ
  • LabVIEW​を​実行​する​Windows​を​インストール​した​PC​ホスト​2つ
  • 2​つ​の​メモリ​ループ​間​の​ブリッジ​として​機能​する​2​つ​の​RM​ノード​が​付​い​た、​NI LabVIEW Real-​Time​モジュール​を​実行​する​シングル​コア​コントローラ​1つ
  • 振動​台​コマンド​を​調整​する​2​つ​の​RM​ノード​が​付​い​た、​NI LabVIEW Real-​Time​モジュール​を​実行​する​ク​アッ​ド​コア​コントローラ​1つ
  • 全て​の​RM​データ​を​収集​し​て​保存​する​1​つ​の​RM​ノード​が​付​い​た、​NI LabVIEW Real-​Time​モジュール​を​実行​する​ク​アッ​ド​コア​コントローラ​1つ
  • リアルタイム​データ​を​Web​に​転送​する​1​つ​の​RM​ノード​が​付​い​た、​NI LabVIEW Real-​Time​モジュール​を​実行​する​デュアル​コア​コントローラ​1つ
  • 各​振動​台​を​監視​するNI Compact FieldPointシステム​4つ
  • 振動​台​の​静​圧​軸受​を​監視​するNI CompactRIOシステム​1つ
  • SMPTE​および​GPS​タイム​スタンプ​を​集録​する​NI LabVIEW Real-​Time​モジュール​を​実行​する​シングル​コア​コントローラ​1つ
  • 外部​ビジョン​システム​の​ため​の​タイミング​信号​を​作成​する​RM​ノード​が​付​い​た、​NI LabVIEW Real-​Time​モジュール​を​実行​する​ク​アッ​ド​コア​コントローラ​1つ
  • 計測​器​の​キ​ャ​リ​ブ​レ​ー​ション​チェック​を​行う​LabVIEW​を​実行​する​デュアル​コア​コントローラ​1つ
  • LabVIEW​を​実行​する​ポスト​テスト​データ​解析​用​Windows PC3つ
  • 研究生​および​学生​用​の​LabVIEW​で​作成​した​カスタム​データ​解析​ソフトウェア

 

メリット

NI​ハードウェア​と​IEEE 1451.4​プラグ​アンド​プ​レイ​の​規格​を​用いる​こと​によって、​セットアップ時間が日単位から分単位へと大幅に短縮され、​計測​器​キ​ャ​リ​ブ​レ​ー​ション​情報​に​関連​した​ヒューマン​エラー​を​なくす​こと​が​でき​ま​した。​NI LabVIEW Real-​Time​モジュール​によって、​全て​の​システム​が​同期​し、​確定​的​に​動作​しま​した。​これ​は​サーボ​油圧​振動​台​および​データ​集録​システム​にとって​主​と​なる​要件​です。​NI LabVIEW Real-​Time​モジュールでプログラミングされたコマンド発生器はスケジュール通り実行され、​振動​台​の​同期​は​維持​さ​れ​ま​した。​テスト​中、​LabVIEW​によって​データ​は​瞬時​に​解析​さ​れ​ま​した。​また、​LabVIEW​を​使用​し​て、​重要​な​データ​を​す​ば​やく​複製​し、​キャンパス​および​NEES​の​リ​ポジ​トリ​全体​において​複数​の​FTP​マシン​上​で​バックアップ​を​作成​しま​した。

 

結果

私​たち​の​調査​プロジェクト​は​100%​の​成功​を​収​め​ま​した。​ナショナル​イン​ス​ツル​メンツ​なし​に、​こうした​テスト​を​行う​こと​は​不可能​で​した。​全てのデータは正確に収集され、​必要​に​応​じ​て​処理・​保存​さ​れ​ま​した。​振動​台​システム​は​調査​側が​必要​と​した​地震​記録​を​正確​に​生成​し、​NI CompactRIO​システム​が​油圧​システム​を​監視​し​て、​どの​よう​な​潜在​的​な​問題​も​すぐ​に​認識​できる​よう​に​しま​した。​この​実験​は​その​サイズ​と​コスト​から、​「開始」​ボタン​を​押す​度​に​全て​が​完璧​に​動作​する​必要​が​あり、​ナショナル​イン​ス​ツル​メンツ​と​LabVIEW​は​まさに​それ​を​実現​し​てく​れ​ま​した。

 

著者​情報:

Dr. Patrick Laplace, Ph.D.
University of Nevada, Reno
​Department of Civil and Environmental Engineering/​0258
​Reno, NV 89557
​United States
​Tel: (775) 784-8080
laplace@unr.edu

​ ​図​1. 計測​器​および​ケーブル​の​装着 ​
​ ​図​2. 概念​モデル ​
​ ​図​3. 「空中​に​浮​い​た」​状態​の​3​セクション​に​分かれ​た​橋​の​1​つ ​
​ ​図​4. リ​フ​レ​ク​テ​ィ​ブ​メモリ​の​動作​の​例 ​
​ ​図​5. 研究生​および​学生​の​ため​に​作成​さ​れ​た​サンプル​の​LabVIEW​解析​ソフトウェア ​
図​1. ​ ​橋​の​上の​車両 ​
図​2. ​ ​橋脚​と​テスト​システム ​
図​3. ​ ​橋​の​上の​車両​から​の​眺め ​