海洋​競技​用​自律​型​無人​潜水​機​(AUV)​の​開発​―​世界​初​と​なる​海洋​で​の​海中​ロボット​競技​参加

- Masayuki Okada, 沖縄​職業​能力​開発​大​学校 生産​電子​情報​システム​技術科

"海中​ロボット​の​ノウハウ​が​全く​ない​状態​から​開発​期間​半年​という​短期間​で​NI myRIO​と​LabVIEW​を​駆使​し​て​自律​航行​ロボット​を​開発​する​ことに​成功​した。"

- Masayuki Okada, 沖縄​職業​能力​開発​大​学校 生産​電子​情報​システム​技術科

課題:

海洋​ロボット​コンテスト・​プ​レ​大会​出場​に際し、​自律​航行​を​実現​し​つつ、​同​大会​の​課題​(ブイ​に​囲​まれ​た​水深​約​1.5​メートル​の​海中​で​10​メートル​先​の​ゴール​を​目指す)​を​クリア​する。

ソリューション:

NI myRIO​を​使用​し​て、​4​個​の​DC​モータ​を​加速度​センサ、​磁気​センサ、​水圧​センサ​を​ベース​に​目的地​まで​機体​を​正常​に​保​ち​ながら​航行​する。​合わせ​て、​LabVIEW​の​画像​処理​ライブラリ​を​活用​し​て、​障害​物​検知​と​目的地​判断​を​行う。

筆者:岡田 正之、​上田 潤一、​屋良 朝​哉、​城間 健作、​金城 映、​野津 充、​比嘉 賢人、​松本 賢​拡、​池​宮城 秀平、​名護 林、​高良 栄作、​孫 尚​卿​(アドバイザー)

 

背景

次世代​海洋​資源​開発​として、​産学​官​(文部​科学​省、​経済​産業​省、​国土​交通​省)​連携​により、​基盤​的​技術​開発​から​実用​化​段階​まで​開発​し、​システム​の​技術​的​課題​や​経済​性​など​の​検証​が​行​われ​て​いる。​この​プロジェクト​の​推進​を通じ、​「国内​企業​等​の​技術​力、​経験​の​蓄積」、​「総合​エンジニアリング​能力​の​獲得、​蓄積」、​「人材​育成」​を​行い、​資源​開発​を​担う​プレイヤー​(産業)​の​創出​を​図る​プロジェクト​が​進行​し​て​いる。​この​よう​な​海洋​資源​開発​を​する​上​で​地理​的​に​もっとも​良い​場所​の​一つ​として​沖縄​が​挙​げ​られる。

特に、​沖縄​近郊​の​東シナ海​領海​の​海底​調査​が​太平洋​側​に​比べ​て​遅れ​て​いる。​この​地域​に​は、​深海​1000m​以内​に​熱水​鉱床​や​天然​資源​が​存在​する​可能性​が​高い​と​言​われ​て​いる。​その​領域​を​中心​に​海底​探査​を​自律​型​AUV​で​行う。​この​プロジェクト​の​一環​として、​全国​あるいは​近隣​国​の​研究​機関​を​招き​技術​交流​を​含​め​た​研究​会​を​開催​する。​研究​会​は、​海洋​関係​全般​と​し、​海洋​再生​エネルギー、​海洋​バイオ、​水​産業​の​振興​等​も​含​め​た​海洋​開発​に関する​もの​と​し、​沖縄​を​海洋​開発​振興​県​と​する​基盤​づくり​を​行う​プロジェクト​と​する。

その​研究​会​の​中​で、​ロボット​コンベンション​(競技)​の​中​で​最も​難しい​と​さ​れる​海中​ロボット​コンベンション​を​行い​将来​的​に​は​海中​ロボット​競技​会​を​発足​し、​沖縄​県​を​海中​ロボット​の​メッカ​と​する​こと​で​人材​育成​に​も​寄与​する。

 

課題

  1. 図​1​に​示す。​課題​を​自律​航行​で​クリア​させる​競技​(ROV​と​AUV​は​ブイ​に​囲​まれ​た​水深​約​1.5​メートル​の​海中​で​10​メートル​先​の​ゴール​を​目指す。)

 

 

 

ソリューション

NI myRIO​を​使用​し​て、​4​個​の​DC​モータ​を​加速度​センサ、​磁気​センサ、​水圧​センサ​を​ベース​に​目的地​まで​機体​を​正常​に​保​ち​ながら​航行​する。​併せて、​LabVIEW​の​画像​処理​ライブラリ​を​活用​し​て、​障害​物​検知​と​目的地​判断​を​行う。

 

アプリケーション​概要・​システム​概要

 

 

 

図​2. に​ロボット​本体​を​示し​て​いる。​前方​に​ある​USB​カメラ​で​特定​の​色​(黄色)​を​感知​する​こと​で、​システム​を​始動​させる。​スクリュー​が​上部​に​付​い​て​いる​す​ラスタ​で​潜水、​浮上​と​機体​の​ロール​を​防ぐ。​後方​スラスタ​で、​左右​の​バランス​制御​や​方向​転換​を​行う。​地磁気​センサ​で​目的地​の​方位​を​取得​する。

 

航行​中、​USB​カメラ​で​障害​物​や​終点​を​検知​し​て、​myRIO​に​情報​を​送り​目的地​まで​到達​させる。

 

図​4. に、​myRIO​の​PWM​ポート​と​モータ​制御​用​IC​を​接続​する​ため​の​回路​図​を​示す。

 

 

 

 

導入​効果

  1. myRIO​を​用​いたこ​と​により、​本課題の最大の難関だった​PID​制御​の​問題​が​解決​した。​NI​が提供しているサンプルプログラムを参考にできたことが最大の要因だった。
  2. 本課題は期間が半年という短い期間だった。​それに​加​えて、​海洋ロボットのノウハウは何もない状態だったが、​LabVIEW​は​ブロック​ダイ​ア​グラム​方式​で​直感​的​に​プログラミング​が​可能​で、​関数​が​豊富​に​用意​さ​れ​て​いる​ため​プログラム​自体​は​思​って​い​たより​も​早く​完成​した。​その​結果、​半年​以内​に​無事​に​課題​を​終える​こと​が​でき​た。

 

まとめ​と​今後​の​展望

本格​的​に​開催​さ​れる、​海洋​ロボット​コンテスト​大会​あるいは​水中​ロボット​コンベンション​等​で​myRIO​の​制御​プログラム​を​公開​する​こと​で​参加​大学​等​を​増​や​し​てい​きた​いと​思​って​いる。

 

著者​情報:

Masayuki Okada

沖縄​職業​能力​開発​大​学校 生産​電子​情報​システム​技術科
​〒​904-2141 沖縄​県​沖縄​市​池原​2994​—2
​Japan
​Tel: 098-934-6288
okada@okinawa-​pc.ac.jp

図​1. ​ ​AUV​競技​ルール ​
図​2. ​ ​ロボット​本体 ​
図​3. ​ ​システム​構成 ​
図​4. ​ ​モータドライバ​回路 ​
図​5. ​ ​センシング​回路 ​
​ ​ROV​プロジェクト​構成 ​
​ ​AUV​プロジェクト​構成 ​