アナログ・​デバイセズ​社、​PXI​と​LabVIEW​で​MEMS​テスト​の​コスト​を​削減

Woody Beckford, Analog Devices Inc.

"ナショナル​イン​ス​ツル​メンツ​(NI)​の​PXI​と​LabVIEW​を​導入​した​こと​により​に、​コスト​や、​消費​電力、​フットプリント、​重量​を​従来​の​ATE(自動​テスト​装置)​システム​の​数分​の​1​に​抑え​て、​MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)​デバイス​の​テスト​が​行える​よう​に​なり​ま​した" ​

- Woody Beckford, Analog Devices Inc.

課題:

MEMS​デバイス​の​開発​ラボ​における​特性​評価​と​製造​段階​における​テスト​の​ため​に、​効率​的​で、​費用​対​効果​に​優​れ​た​小型​の​システム​を​開発​する。 ​

ソリューション:

NI​の​LabVIEW​ソフトウェア​と​PXI​モジュール​式​計測​器​を​用​い​て、​特性​評価​と​製造​テスト​の​両方​に​使用​可能​な​MEMS​デバイス​用​テスト​システム​を​開発​した。​それ​により、​製造​現場​で​使用​さ​れ​てい​た​従来​の​ATE​と​比べ​て、​設備​投資​を​1/11、​フットプリント​を​1/15、​重量​を​1/66、​消費​電力​を​1/16​に​削減​でき​た。 ​

作成​者:

Woody Beckford - Analog Devices Inc.
​Rob Whitehouse - Analog Devices Inc.
​Dan Weinberg - Analog Devices Inc.

 

アナログ・​デバイセズ​社​(以下、​ADI)​は、​光​や、​音、​温度、​動き、​圧力​など​の​計測​値​を、​さまざま​な​電子​機器​で​使用​可能​な​電気​信号​へ​と​変換/​調整/​処理​する​IC​を​製造​し​て​いる​メーカー​です。​アナログ​IC、​ミックス​ド​シグナル​IC、​DSP​など​の​製品​を​ライン​アップ​し​てい​ます。​当社​(ADI)​の​IC​は、​自動車​や、​カメラ、​テレビ、​携帯​電話、​医用​画像​診断​装置、​工業​用​自動化​装置​など、​あらゆる​装置/​機器​に​搭載​さ​れ​てい​ます。

 

ADI​は、​過去​20​年間​にわたって、​MEMS​ベース​の​慣性​センサー​技術​に​多額​の​投資​を​行​って​き​ま​した。​MEMS​分野​の​リーディングイノベータ、​そして​マイクロ​マシン​技術​の​パイオニア​として、​ADI​は、​完全​統合​型​の​加速度​センサ​と​ジャイロスコープ​を​業界​で​初めて​開発​した​実績​を​持ち​ます。​当社​が​iMEMS(Integrated MEMS)​と​呼ぶ​それらの​製品​は、​電子​設計​者​が​加速度​や、​傾斜、​衝撃、​振動、​回転、​複数​自由​度​(DoF:Degrees-​of-​freedom)​の​動き​を​設計​に​取り込める​よう​支援​する​もの​です。​当社​は、​受賞​歴​を​持つ​iMEMS​ブランド​の​加速度​センサ/​ジャイロスコープ​の​ほかに​も、​iSensor​ブランド​の​インテリジェント​センサー​や​慣性​計測​ユニット​(IMU)、​iMEMS​ブランド​の​デジタル​マイクロホン​といった​さまざま​な​ソリューション​を​提供​し​てい​ます。

 

 

新た​な​MEMS​テスト​システム​に​求め​られる​要件

これまでに、​MEMS​デバイス​の​テスト​は、​製造​テスト​の​プロセス​について​多く​の​課題​を​提起​してき​ま​した。​ATE​システム​の​開発​では、​製品​の​品質​を​確保​し​つつ、​可能​な​限り​コスト​を​抑え​て、​当社​の​製品​テスト​計画​の​要件​を​満たす​必要​が​ありま​した。​「大型​コンピュータ」​を​ベース​と​した​従来​の​ATE​ソリューション​は、​その​よう​な​ニーズ​を​満足​する​に​は​コスト​が​かかり​すぎ​ま​した。​加​えて、​その​機能​は​必要​以上​に​高度​です。​また、​MEMS​向け​の​専用​テスタ​の​要件​を​効率​的​に​満たす​に​は、​物理​的​な​サイズ​も​大​き​すぎ​ます。​当社​が​必要​として​い​た​の​は、​従来​の​ATE​ソリューション​が​備え​てい​た​計測​機能​を​部分​的​に​網羅​し​つつ 、​アプリケーション​に​特​化​した​テスト​システム​で​した。

 

COTS​による​代替​――PXI​と​LabVIEW​が解に

上述​した​よう​な​背景​から、​ADI​は、​従来​の​ATE​プラットフォーム​の​代替​と​なる​もの​を​模索​し、​あらゆる​選択肢​について​検討​を​始め​ま​した。​まず、​カスタム​の​テスト​ソリ​ュ​ー​ション​で​生じる​オーバー​ヘッド​を​削減​する​ため​に、​できるだけ​多く​の​COTS(商用​オフザシェルフ)​技術​を​活用​しよう​と​考え​ま​した。​また、​テスト​用​の​プラットフォーム​に​は、​各​計測​器​の​速度​や​性能​を​犠牲​に​する​こと​なく、​カスタム​の​MEMS​テスト​システム​の​要件​を​満足​できるだけ​の​柔軟性​を​持​た​せ​よう​と​考え​ま​した。

 

当社​が​抱える​課題​を​解決​する​の​に​必要​な​テスト/​計測​機能​を​備え​てい​た​の​が、​NIのPXIプラットフォーム​です。​PXI​は​10​年以上前に策定され、​広​く​採用​さ​れ​て​いる​オープン​な​規格​で​あり、​すでに​さまざま​な​業界​で​利用​さ​れ​てい​ます。​PXI​を​採用​した​こと​によって、​当社​が​想定​し​て​いる​MEMS​テスト​システム​を​開発​する​うえ​で​必要​と​なる、​高い​柔軟性​と​モジュール​性​を​確保​する​こと​が​でき​ま​した。​言い換えれば、​さまざま​な​テスト​の​ニーズ​に​応​じ​て​システム​を​再​構成​する​こと​が​可能​に​な​っ​た​の​です。​また、​ソフトウェア​に​変更​を​加える​こと​なく、​モジュール​を​追加​し​て​テスト​用​の​リソース​を​複製​する​こと​で、​マルチ​サイト​の​テスト​を​実現​する​こと​も​でき​ます。​その​結果、​スループット​に対する​要求​に​応​じ、​テスト​装置​を​拡張​できる​よう​に​なり​ま​した。 

 

新しい​ATE​システム​を​製造​現場​に​導入​する​際​に​は、​その​プロセス​を​簡略​化​する​必要​も​ありま​した。​そのため​に​は、​既存​の​ツール​で​使用​し​てい​た​プログラム​や​データ​インタフェース​に​も​対応​可能​な​機能​を​備え​た​本質​的​に​使い勝手​の​良い​ソフトウェア​環境​が​必要​で​した。​当社​は​この​課題​を​解決​する​ため​に、​社内​で​の​特性​評価​の​現場​や​設計​ラボ​です​で​に​広​く​使用​し​てい​た​LabVIEW​ソフトウェア​を​採用​する​ことに​しま​した。​当初、​テスト​用​の​ソフトウェア​は​ANSI C​や​C​+​+で​開発​する​こと​を​検討​し​てい​ま​した​が、​LabVIEW​を​用​い​た​ベンチマーク​を​複数​回​実行​した​結果、​マルチ​コア​技術​を​活用​した​機能​と​性能​に​感銘​を​受け​て、​同​ソフトウェア​を​採用​する​ことに​決め​た​の​です。

 

 

この​製造​テスト​用​ソリューション​の​開発​にあたって​新た​に​利用​した​の​は、​PXI​と​LabVIEW​だけ​です。​当社​は、​この​プロジェクト​向け​の​サプライヤ​として​NI​に​製品​提供​や​サポート​を​依頼​した​だけ​では​なく、​世界​各国​の​拠点​へ​の​システム​の​配備​について​の​支援​も​要請​しま​した。​必要​な​テスト​装置​の​大半​は、​NI​の​製品​群​だけ​で​ま​かな​って​い​ます。​この​プロジェクト​では、​世界​各国​に​拠点​を​構える​NI​の​エンジニア/​システムエンジニア​の​チーム​が、​全​工程​を通じて​当社​の​開発​チーム​を​サポート​しま​した。​LabVIEW​の​使い​やす​さ​と​PXI​システム​の​柔軟性​を​組み合わせる​こと​で、​ソリューション​の​設計​と​プロトタイプ​の​開発​を​短期間​で​行う​こと​が​でき​ま​した。​また、​従来​の​ATE​テスト​システム​と​同​程度​か、​もしくは​より​短い​時間​で​テスト​を​完了​する​こと​が​でき​てい​ます。​当社​は、​NI​の​技術​を​用​い​て​開発​した​PXI​ベース​の​製造​テスト​用​ソリューション​に対して​大きな​信頼​を​置​い​てい​ます。

 

 

NI​の​COTS​技術​によって​得​ら​れ​た​メリット

PXI​と​LabVIEW​を​導入​した​こと​で、​新しい​システム​では、​MEMS​デバイス​の​製造​テスト​向け​の​設備​投資、​フットプリント、​重量、​消費​電力​を​大幅​に​削減​する​こと​が​でき​ま​した。

 

●​コスト​の​削減:従来​の​ATE​システム​は、​新た​な​PXI​システム​の​総​コスト​と​比べ​て​も、​基本​的​な​コン​フ​ィ​ギ​ュ​レ​ー​ション​に​掛かる​費用​が​大きい

 

●​製造​現場​における​フットプリント​の​削減:新た​な​PXI​システム​は、​カート​に​載​せ​て​移動​できる​ほど​に​小型化​さ​れ​て​おり、​製造​現場​の​貴重​な​スペース​を​節約​する​こと​が​でき​て​いる。​真​の​意味​で​ゼ​ロ​フッ​ト​プリント​の​テスタ​だ​と​言える

 

●​小型​で​使い勝手​の​良い​システム:新た​な​システム​は、​従来​の​システム​と​比べ​て​重量​が​軽い​ため、​輸送​費用​を​大幅​に​削減​できる。​何らかの​問題​が​発生​した​場合​に​は、​各​拠点​が​保有​する​予備​の​PXI​計測​器​に​交換​する​こと​も​可能​で​ある。​あるいは、​テスト​システム​全体​を​製造​ライン​から​外​し​て​開発​ラボ​に​送り​返​した​として​も、​オーバー​ヘッド​は​ごく​わずか​で​済む。​従来​の​ATE​システム​を​輸送​する​場合、​輸送​用​の​コンテナ​を​手配​する​だけ​でも、​新た​な​PXI​テスト​システム​の​総​コスト​と​同​程度​の​費用​が​発生​する

 

●​電源​に関する​総​コスト​の​低減:テスタ​を​追加​する​場合、​従来は送電網と冷却システムに変更を加えなければならなかった。​そのため、​設備​関連​の​部門​は​数カ月​前​から​準備​し​て​おく​必要​が​あっ​た。​一方、​新た​な​PXI​システム​の​場合、​設備​に​一切​の​変更​を​加える​こと​なく、​標準​電源​プラグ​を​使用​する​だけ​で​済む

 

●​テスト​品質​の​向上:新た​な​システム​の​導入​によって、​テスト品質を全体的に高めることが可能になった。​自社​で​テスタ​を​設計​した​こと​から、​各​拠点​で​使用​する​すべて​の​テスタ​が​まったく​同じ​ハードウェア​を​装備​し、​まったく​同じ​プログラム/​コード​シーケンス​を​実行​する​よう​徹底​する​こと​が​できる。​加​えて、​LabVIEW​で​システム​を​制御​する​方法​を​採用​した​こと​で、​プログラミング​した​テスト​コード​を​モジュール​化​し、​将来使用するテストプログラムや開発ラボで再利用することも可能になった

 

 

●1​つ​の​テスト​システム​を​特性​評価​と​製造​テスト​で​使用:テスト​システム​の​開発​において、​柔軟性​と​使い勝手​の​向上​を​達成​した​こと​により、​設計、​特性​評価、​計測​といった​製造​以外​の​段階​でも、​同じシステムを利用できるようになった。​追加​の​費用​を​かける​こと​なく、​社内​の​全​環境​で​同じ​ATE​機器​を​使用​する​こと​が​可能​で​ある。​その​結果、​製品​の​市場​投入​まで​の​時間​を​短縮​する​とともに、​製品​の​品質​を​高める​こと​が​できた

 

このように、​PXI​と​LabVIEW​を​導入​した​こと​によって、​特性​評価​の​段階​から​製造​段階​まで​を​網羅​する、​アプリケーション​に​特​化​した​MEMS​テスト​プラットフォーム​を​開発​する​こと​が​でき​ま​した。​その​結果、​MEMS​テスト​の​総​費用​を​大幅​に​削減​する​こと​が​でき​ま​した。

 

著者​情報:

Woody Beckford
Analog Devices Inc.
​Tel: (781) 937-1314
woodrow.beckford@analog.com

​ ​NI​の​PXI​製品​を​ベース​と​した​新た​な​MEMS​テスタ​では、​従来​の​ATE​システム​と​比べ​て、​コスト、​物理​的​スペース、​消費​電力​を​大幅​に​削減​でき​た。 ​
図​2. ​ ​PXI​と​LabVIEW​のみ​を​使用​し​て、​新しい​MEMS​テスト​システム​の​開発/​デプロイ​(実装)​を行った。 ​
図​4. ​ ​MEMS​テスト​システム​の​構築​に​は、​NI​の​SMU(Source Measurement Unit)、​電源、​ダイナミック​信号​アナ​ラ​イザ、​高速​デジタル​I/​O、​タイミング/​同期​の​各​PXI​モジュール​を​使用​した。 ​
図​5. ​ ​エンジニア​チーム​を​率​い​た​Robert Whitehouse​氏。​従来​の​ATE​システム​を​利用​した​場合​に​比べ​て​設備​投資​を​1/10​に​抑える​ことに​成功​した。 ​
図​3. ​ ​PXI​と​LabVIE​の​導入​により、​開発​と​製造​で​使用​する​ソリューション​の​違い​から​生じる​相関​性​の​問題​を​避​け​られる​という​メリット​も​享受​でき​た。 ​