1. GPIB-USBインタフェースを取り付けるには、GPIB-USBインタフェースのUSBコネクタをコンピュータのUSBポートに接続してください。
2. GPIB-USBインタフェースをGPIBデバイスに接続する前に、コンピュータとGPIBデバイスが同じグランド電位にあることを確認してください。通常、GPIB-USBインタフェースはGPIBケーブルを使わずに直接GPIBデバイスに接続できます。
3. コンピュータがすでに起動している場合は、オペレーティングシステムがGPIBインタフェースを自動認識します。コンピュータが起動していない場合は、システムを起動する際にGPIBインタフェースが検出されます。
図1. GPIB-USBインタフェース
異なるグランド電位が使用されるシステムにおいて、GPIB-USBハードウェアやその他のコンポーネントを保護するには、以下のいずれかの対策が有効です。
各ユニットは、両端でGPIB信号を光ファイバ信号に変換するため、異なるグランド電位間で使用できます。これらの製品も、ni.comでご購入いただけます。
これでGPIBハードウェアの取り付けは完了です。
このタスクを実行する際には、以下のビデオチュートリアルまたはドキュメントを参考にしてください。
Windows (Ethernet/LXI)での構成(英語)
Measurement & Automation Explorer(MAX)ユーティリティには、GPIBコントローラ用のNI-488ドライバが含まれています。MAXを使用して接続されている計測器を検索し、デバイスとの通信を行うことにより、GPIBの計測器検知と制御が簡単になります。
デスクトップ上にあるMAXのアイコンをクリックするか、スタート→すべてのプログラム→National Instruments→Measurement & Automationを選択して、MAXを開きます。
図2. MAXメインメニュー
GPIBデバイスが適切に接続されたかどうかを確認するには、「マイシステム」の下にある「デバイスとインタフェース」を展開します。そこで、GPIBコントローラを選択します。このチュートリアルではUSB-GPIB-HSコントローラを使用します。PCI、シリアル、またはイーサネットコントローラ/変換器を使用している場合、名前が多少異なることがあります。「計測器をスキャン」をクリックします。
図3. MAXで計測器をスキャンする
ご使用のGPIBがSCPI準拠の場合、計測器のスキャンが終了すると、名前とアドレスが「プロパティ」タブのメインウィンドウの下部に表示されます。
図4. 検出されたGPIBデバイス
ご使用のデバイスが表示されない場合は、GPIB Installation/Configuration Troubleshooter(英語)を参照してください。また、技術サポートデータベース 1UO68A5P: "Scan for Instruments" Fails in Measurement & Automation Explorerも参照してください。
MAXは、GPIB計測器とVISAで通信するために必要なリソースを作成します。検出された計測器(図4のメインウィンドウの下部にある)をダブルクリックすると、その計測器のVISAプロパティが開きます。そこで、デバイスのVISAリソース名を変更したり、「計測器と通信する」(SCPIコマンド)または「VISAテストパネルを開く」(非SCPIコマンド)をクリックしてデバイスと通信したりできます。
図5. VISAプロパティタブを開く
この例では、VISAエイリアスとして「NIISFBA」と入力しています。計測器をすぐに識別できるようなエイリアスを選択することが重要です。これは、複数の計測器を使用する大きなシステムを構成する場合には特に重要です。
VISAIC(VISA Interactive Control)は、NI GPIBコントローラ製品に含まれている標準ソフトウェアユーティリティです。コンピュータからこの開発およびデバッグ用ツールを利用して、GPIB計測器と対話式通信(読み取り、書き込み、シリアルのポーリングなど)を行うことができます。VISAICユーティリティを活用することで、計測器での自動測定方法、GPIBの問題を発見する方法、機能不全の計測器を認識する方法を理解し、アプリケーション開発にかかる時間を短縮することができます。Windowsプラットフォームでは、VISAICユーティリティでオンラインヘルプを使用することができ、問題解決に必要なデバッグ情報を提供するNI-488関数やNI-488.2ルーチン、構文、エラーコード、状態変数について検索することができます。
VISAICユーティリティの使用方法およびサンプルで使用されている関数については、GPIBコントローラに付属のVISAヘルプファイルおよびNI-488.2ヘルプファイルを参照してください。次のセクションでは、VISAICユーティリティおよびGPIBの基本知識について説明します。
VISAICを起動するには、「ツール」→「NI-VISA」→「VISA対話式制御」を選択します(図6を参照)。
図6. VISAICを起動する
VISAICが初期実行されると、システム内の全てのリソースが自動的に検索され、各リソースの計測器デスクリプタが該当するリソースタイプの下に表示されます。図7は、VISAICを開いたときのウィンドウを示しています。
図7. VISA対話式制御
電源が入っていてGPIBコントローラに接続されている計測器のみが検出されます。バスに2つ以上の計測器がある場合、1つ以外の全ての計測器の接続を解除するとその計測のアドレスがわかります。バス上の各計測器をこのように孤立させ、更新(View→Refresh)を繰り返すと、各計測器のアドレスを迅速に確認することができます。また、「Resource to Find」フィールドを使用して、各計測器をID文字列でクエリすることもできます。IDクエリについては次のセクションで説明します。
計測器のGPIBアドレスが決定すると、通信を確立して計測器とのデータ送受信が正常に行われているか簡単に検証できます。ほとんどの計測器は488.2に準拠しているので、「*IDN?」コマンドを送信することで計測器のIDをクエリできます。計測器は、通常製造元の名前、モデル名、ファームウェアリビジョンを確認できる英数字文字列を返します。アドレス4にある計測器と通信するには、以下の手順に従ってください。
まず、VISAICで、通信する計測器(この場合はGPIB0 ::14::INSTR)をダブルクリックします。
これにより計測器の「VISAテストパネル」が開きます。このテストパネルを使用すると、計測器通信用のプロパティを設定するだけでなく計測器との読み取りおよび書き込みを行うことができます。
図8. VISAテストパネル(viWrite)
「Input/Output」タブで「*IDN?\n」コマンドを選択し、「Write」をクリックします。これによって、488.2のID用コマンド「*IDN?」の後に終端文字の「\n」が付いたものが計測器に送信されます。
ここでも「Input/Output」タブで、読み取るバイト数を変更して予想される応答の長さを変更し、「Read」をクリックします。計測器はID文字列およびリターンカウントを返すはずです。
これで、計測器との通信を確認したことになります。接続されている他の計測器全てに対してこの手順を実行して、通信を確認できます。
図9. VISAテストパネル(viRead)
保守やシステム構成の変更のために、たびたび計測器の電源をオフにしたりケーブルを抜く場合があります。その後、再接続する際にエンジニアがケーブルの接続を忘れたり、計測器の電源を入れ忘れたりする場合があります。または、単にシステムの電源が何らかの理由で妨害されていたり、計測器自体に不具合が発生している場合もあります。VISAICは、バス上の計測器が接続されているか検証する上でも便利です。更新(View→Refresh)を使用するだけで、特定の計測器が割り当てられたGPIBアドレスと通信しているか確認できます。通信していない場合は、ケーブルや電源を点検したり、計測器が正常に動作しているか確認する必要があります。
問題がある場合は、デバイスは表示されなくなります。この場合、ケーブルがきちんと接続されているかどうか、および電源や計測器が正常に動作しているかを確認する必要があります。
上記の基本機能や概念はシンプルなものですが、トラブルシューティングやGPIBシステムを正常に実行する上で非常に役立ちます。不明な問題解決や計測器との通信の確立に煩わされることなく、テストアプリケーションの開発に集中することができます。
このステップを完了後、対話式モードからプログラミングモードに速やかに移行することにより、細かいプロセスを避け、テスト開発時間を短縮できます。そこで一番役に立つのは、計測器ドライバを使用する方法です。