位相差出力エンコーダをDAQデバイスに接続する

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開始する前に

本ページでは、NI DAQデバイスを位相差出力測定用に配線および構成する方法をステップごとに説明します。NI DAQハードウェアの使用を開始する前に、まずアプリケーション開発環境とドライバソフトウェアをインストールする必要があります。詳細は、LabVIEWおよびNI-DAQmxをインストールするを参照してください。

位相差出力エンコーダ測定の基本

位相差出力エンコーダ(角エンコーダとも呼ばれる)による位置測定を実行するには、NIマルチファンクションDAQデバイス、CompactDAQシャーシとデジタルI/O Cシリーズモジュール、またはカウンタ/タイマデバイスを使用します。これらのデバイスのカウンタは、X1、X2、X4角エンコーダで角位置を測定できます。位相差出力エンコーダは、エンコーダのシャフトが回転すると2つの信号がパルスとして発生します。これらの信号A(チャンネルAとも呼ばれる)と信号B(チャンネルBとも呼ばれる)は、通常TTLデジタル信号です。

カウンタ

XシリーズデバイスとCompactDAQシャーシには、4つの汎用32ビットカウンタ/タイマがあります。Mシリーズデバイスと他のDAQデバイスには、2つのカウンタ/タイマがあります。これらの汎用カウンタ/タイマは5 V TTLデジタル信号を使用し、さまざまな計測アプリケーションやパルス発生アプリケーションに応用できます。図1は、Xシリーズデバイスのカウンタ0を示しています。

図1. Xシリーズデバイスのカウンタ0

4つのカウンタは全て同じです。カウンタには8つの入力信号がありますが、ほとんどのアプリケーションではその一部だけが使用されます。各カウンタには、バッファ集録および生成に使用できるFIFOがあります。

符号化

チャンネルAとチャンネルBは90゚でオフセットされ、このオフセットがエンコーダの移動方向を決定します。直交サイクルにおいてチャンネルAがチャンネルBより先行する場合、カウンタは増分します。直交サイクルにおいてチャンネルBがチャンネルAより先行する場合、カウンタは減分します。サイクルごとの増分値と減分値は、エンコードがX1、X2、X4のいずれかによって異なります。

X1エンコード

図2は、X1エンコードの直交サイクルとその結果の増分値または減分値を示しています。チャンネルAがチャンネルBより先行する場合、チャンネルAの立ち上がりエッジでカウンタの値が増分します。チャンネルBがチャンネルAよりも先行する場合、チャンネルAの立ち下がりエッジでカウンタの値が減分します。

図2. X1エンコード

X2エンコード

X2エンコードでも同様の現象が見られますが、カウンタがチャンネルAの各エッジで増分または減分する点で異なります(増分/減分はどちらのチャンネルが先行するかで決まります)。図3のように、各サイクルによって、2つの増分または2つの減分が発生します。

図3. X2エンコード

X4エンコード

X4エンコードでも、カウンタはチャンネルAとBの各エッジで増加または減少します。カウンタが増分するか減分するかは、どちらのチャンネルが先行するかで決定されます。図4のように、各サイクルによって、4つの増分または4つの減分が発生します。

図4. X4エンコード

チャンネルZの動作

一部の位相差出力エンコーダでは、チャンネルA、Bに加えてインデックスチャンネルとも呼ばれるチャンネルZがあります。チャンネルZがHIGHレベルになると、カウンタには直交サイクルの指定された位相で、指定された値が再ロードされます。この再ロードは、直交サイクルの4つの位相のいずれかで実行されるようにプログラムすることができます。

チャンネルZの動作(HIGHになる条件、HIGHの持続時間)は、位相差出力エンコーダの設計に応じて異なります。チャンネルZのチャンネルA/Bに対するタイミングについては、位相差出力エンコーダのドキュメントを参照してください。また、チャンネルZが、再ロードの条件に指定する位相の少なくとも一部でHIGHになるよう設定する必要があります。例えば、図5では、チャンネルAがHIGHでチャンネルBがLOWである場合に、チャンネルZがHIGHになることはありません。したがって、再ロードは別の位相で発生する必要があります。

図5では、再ロードはチャンネルAとBが両方LOWとなる位相で実行されます。再ロードは、この位相条件がTRUEでありチャンネルZがHIGHであるときに実行されます。また、カウンタの増減は再ロードよりも優先されます。したがって、チャンネルBがLOWとなって再ロードの位相に入るとき、まずはカウンタが増分します。再ロード(カウンタのリセット)は、再ロードの位相がTRUEになってから、最大タイムベースの1周期以内に行われます。再ロード後は、カウンタはそれまでと同様のカウントを続行します。図は、X4デコードで再ロードされたチャンネルZを示しています。

図5. X4デコードで再ロードされたチャンネルZ

DAQデバイスのピン配列を見つける

何らかの信号を接続する前に、デバイスのピン配列を見つけます。

  1. Measurement & Automation Explorer(MAX)を開いて「デバイスとインタフェース」を展開します。
  2. デバイス名を右クリックして、「デバイスピン配列」を選択します。コネクタのピン配列の下にある表には、カウンタ入力に関する情報が載っています。

図6. デバイス端子ヘルプ

位相差出力エンコーダ計測に対応する端子タイプは以下のタイプです。

  • CTR x A: 位相差出力エンコーダチャンネルA―エンコーダが動く方向は、チャンネルAとチャンネルBにより決まります。
  • CTR x B: 位相差出力エンコーダチャンネルB―エンコーダが動く方向は、チャンネルAとチャンネルBにより決まります。
  • CTR x Z: 位相差出力エンコーダインデックス―カウンタは、チャンネルZのHIGHレベルにおいて直交サイクルの指定された値と位相で再ロードされます。
  • PFI x: Programmable Function Interface―PFIラインはTTLデジタルI/Oラインであり、DAQデバイスからのカウンタ入力、カウンタ出力、または他のデジタル信号に経路設定できます。どのPFIラインがどのカウンタ入力に対応するかは、ピン配列図の下の表で確認してください。
  • D GND: デジタルグランド―デジタルI/O、カウンタ、PFIラインの接地基準。

位相差出力エンコーダ測定を構成する

MAXを使用すると、計測システムのセットアップの確度をすばやく確認することができます。NI-DAQmxグローバル仮想チャンネルを使用すると、プログラミングなしで位相差出力エンコーダ測定を構成できます。仮想チャンネルとは、一連のデバイスプロパティを表すNI-DAQmxドライバアーキテクチャの概念で、名前、物理チャンネル、端子接続、計測/生成タイプ、スケーリング情報などが含まれます。

まず以下の手順に従ってください。

  1. MAXを開き、「データ設定」を選択し、「新規作成」をクリックします。
  2. 「NI-DAQmxグローバル仮想チャンネル」を選択して「次へ」をクリックします。
  3. 「信号を集録」→「カウンタ入力」→「位置」→「角度」を選択します。

図7. NI-DAQmx仮想チャンネルを作成する

  1. エンコーダに接続する物理チャンネルを選択します。物理チャンネルとは、アナログ信号またはデジタル信号の測定や生成ができる端子またはピンのことをいいます。

図8. デバイスの物理チャンネル

  1. 「次へ」をクリックし、グローバル仮想チャンネルの名前を入力するか、デフォルトのままにします。
  2. 「終了」をクリックすると、MAXで下記のような画面が表示されます。

図9. MAXで角度位置チャンネルを設定する

  1. 「設定」タブで、「パルス/回転」を入力します。この値はA信号、B信号のいずれかのパルスの数です。A信号とB信号の両方のパルス数の合計ではありません。
  2. エンコーダの開始角を「初期角度」に入力します。この値の単位は、「単位」プルダウンメニューで指定したものになります。
  3. 「Z相有効化」チェックボックスで、エンコーダがZ相をサポートするかどうかを指定します。
  4. Z相を有効化した場合、「値」には信号ZがHIGHのときに測定をリセットする値を「単位」で指定します。信号Aと信号BはZ相の「位相」プルダウンメニューで指定した状態となります。
  5. 「デコードタイプ」で、エンコーダが信号Aと信号Bで生成するパルスのカウント方法および解釈方法を指定します。「2パルス」は、位相差出力エンコーダでは使用できません。X2デコードおよびX4デコードは、X4が最も感度が高く、より小さい位置変化に対して、X1エンコードよりも感度が高くなります。

位相差出力エンコーダをデバイスに配線する

次に、位相差出力エンコーダをDAQデバイスに物理的に接続します。

  1. MAXの角度位置グローバルチャンネルの「設定」タブにある「信号接続」を参照します。物理チャンネルおよびZ相有効の情報をもとに、MAXは位相差出力エンコーダの信号を接続するPFI端子を表示します。カウンタ(およびPFI)入力接続は、D GNDを基準にします。
  2. デバイスのピン配列図、MAX、下のダイアグラムを参考にしながら、信号A、信号B、信号Z(オプション)、およびCOM信号を接続します。また、エンコーダにドキュメントが付属されている場合はそれも参照してください。

図10. 位相差出力エンコーダの入力信号接続

信号をテストする

NI-DAQmxグローバル仮想チャンネルを使用して、計測をプレビューします。

  1. MAXを開いたままにして、「NI-DAQmxグローバルチャンネル」タブをもう一度クリックし、「実行」ボタンをクリックします。測定された角度位置の値が画面の上部に表示されます。

図11. MAXで角度位置測定をプレビュー

今後この構成画面をもう一度参照したい時のために、NI-DAQmxグローバル仮想チャンネルを保存しておくことも可能です。

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