NI PXI-5122/5142およびNI PXIe-5122 クロック

NI PXI-5122/5142およびNI PXIe-5122のクロック回路は、クロックオプションとして、内部100 MHzサンプリングクロックを使用するか、用意された外部サンプリングクロックを受け入れることができます。また、これらのデジタイザで位相ロックループ (PLL) 回路を使用して、内部100 MHzサンプリングクロックをPXI 10 MHz基準クロックまたは外部基準クロックに位相ロックすることもできます。以下のダイアグラムは、これらのデジタイザのクロックオプションを示します。

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サンプリングクロック

サンプリングクロックは、各チャンネルのADCおよび入力タイミングエンジンに送られます。デジタイザは、サンプリングクロック (内部または外部) を整数の除数で間引きすることができます。外部クロックを使用する場合、間引きによって外部クロック周波数未満のレートを使用することもできます。

内部サンプリングクロック

これらのデジタイザには、100 MHzで実行されるオンボード電圧制御水晶発振器 (VCXO) が搭載されています。オンボード100 MHz発振器を使用する場合、自走モードまたはPLLモードのいずれかを選択できます。自走モードでは、サンプリングクロックはVCXOのキャリブレートされた100 MHz周波数になります。PLLモードでは、デバイスは100 MHzサンプリングクロックを、提供された基準クロックに位相ロックします。PLLモードは、計測システムに含まれるほかのデバイスとこれらのデジタイザを同期する場合に役立ちます。

外部サンプリングクロック

アプリケーションによっては、内部100 MHzクロックを利用できないインターバルでサンプリングする必要があります。このような場合、これらのデジタイザは外部クロックを使用することができます。また、外部クロックは共通クロックを複数のデバイスで使用することで、計測システムに含まれる他のデバイスとデジタイザを同期します。外部サンプリングクロックは、フロントパネルコネクタによりデジタイザに取り込むこともできます。また、PXI StarトリガラインでPXIバックプレーンの信号を経路設定することもできます。外部サンプリングクロックの要件については、ハードウェアの仕様書を参照してください。

メモ 外部サンプリングクロックを使用する場合、TDCは無効になります。トリガホールドオフおよびトリガ分解能への影響については、ハードウェアの仕様書を参照してください。

基準クロック

基準クロックはデジタイザの位相ロックループ (PLL) 回路で使用され、サンプリングクロックを基準クロックに同期します。デジタイザでは、フロントパネルのCLK INコネクタ、そしてPXI_CLK10から基準クロックを取り入れることができます。基準クロックがCLK INから提供されている場合、5 MHz~20 MHz (1 MHz間隔) の周波数となります。PXI_CLK10は常に10 MHzクロックです。2つのクロックが位相ロックされている場合、サンプリングクロック周波数の安定性は、PLL基準クロックの安定性と同等です。代わりに、位相ロックは、同じ基準クロックに位相ロックされている複数デバイスに対してクロックを同期します。基準クロックのデフォルト設定は、「なし」または「基準クロックを使用しない」にします。

メモ 外部サンプリングクロックを使用する場合、基準クロックへのロックは有効ではありません。

サンプリングクロックのエクスポート

内部サンプリングクロックを使用して100 MS/s以外のサンプリングレートを使用するには、デジタイザでサンプルデータの間引きを行います。たとえばサンプリングレートを50 MS/sに指定した場合、NI PXI-5122/5142はADCから取り込んだ2サンプルのうち1サンプルのみをオンボードメモリに格納できます。100/n MS/sのレートでサンプリングを行うことができます。n は1~ (216) の整数値です。デジタイザは、ADCに送信されるクロックの周波数を変更しないため、構成した有効なサンプリングレートでエクスポート用にサンプリングクロックを作成します。最大レートでサンプリングを行うと、自走サンプリングクロックがデジタイザのフロントパネルにエクスポートされます。データが間引きされる場合は、分周されたサンプリングクロックがエクスポートされます。分周されたサンプリングクロックは、データを集録する間は動作しますが、集録が完了するとLOWになります。

メモ NI PXI-5142は、DDCモードで動作している場合サンプリングクロックをエクスポートできません。サンプリングクロックをエクスポートするには、DDC有効プロパティを「FALSE」 (デフォルト) に設定します。

基準クロックをエクスポートする

内部サンプリングクロックを位相ロックするために外部基準クロックを使用している場合は、基準クロックを他の計測器で使用するためにエクスポートすることができます。基準クロックのエクスポートについては、「NI PXI-5122/5124/5142およびNI PXIe-5122 経路マトリクス」を参照してください。