SMC対応デジタイザの集録エンジン状態図
- 更新日2023-11-13
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SMC対応デジタイザの集録エンジン状態図
以下の図は、SMC対応デジタイザの集録エンジン状態図を示します。
矢印の色 | 説明 |
---|---|
青 | 状態遷移は常にソフトウェアにより発生 |
黒 | 状態遷移はデバイス内部のステートマシンにより発生 |
赤 | 出力信号 |
オレンジ | ユーザが構成可能な状態遷移はソフトウェアまたはハードウェアにより発生 |
NI SMC対応デジタイザは動作中、以下のいずれかの基本状態になります。
待機―モジュールは波形集録を行っていません。すべてのセッションの属性は、プログラムでこの状態に設定できます。この状態では、属性は必ずしもハードウェアに適用されておらず、モジュールのハードウェア構成がセッションの属性値に一致しない場合があります。また、モジュールの構成は、セッションが最後にコミットされたときの構成が維持されます。モジュールで「開始」が呼び出されると、すべての属性はハードウェアにプログラムされます。コンピュータがリセットされた場合、または「niScope_ResetDevice」が呼び出された直後は、モジュールは待機状態にあります。
開始トリガを待機―集録を開始する際、モジュールはこの状態に遷移します。開始 (集録アーム) トリガソースが「即時」に構成されている場合、モジュールは即座にこの状態から遷移し、開始トリガイベントを生成します。利用可能なソースでソフトウェアまたはハードウェアトリガとして「開始トリガソース」が構成されている場合は、モジュールは構成されたトリガが発生するまでこの状態で待機します。モジュールがトリガ状態を認識すると、次のクロックサイクルでこの状態から遷移し、開始トリガイベントを生成します。開始トリガソースのデフォルト値は「即時」です。
基準前トリガ最小サンプリング ― 開始 (集録アーム) トリガソースから開始 (集録アーム) トリガを受信、またはアドバンストリガソースからアドバンストリガを受信する2通りの方法で、モジュールはこの状態に遷移します。この状態への遷移は、モジュールの前の状態によって異なります。この状態にある間、モジュールは構成されたセッションの属性に基づいてサンプリングを行います。モジュールは、「基準前トリガ最小サンプリングが完了した」、「TDC準備が完了した」、「トリガ間のホールドオフが終了した」の3つの状態が満たされるまで、この状態を保持します。基準前トリガ最小サンプリングは、ユーザが構成する最小レコード長と基準位置を乗算した数値以上となります。初めてこの状態になる場合は、トリガ間のホールドオフの影響はありません。3つの状態が満たされると、モジュールは次のクロックサイクルで、この状態から遷移します。
サンプリング中にアーム基準トリガを待機―モジュールの基準前トリガ最小サンプリング状態が終了すると、モジュールはこの状態に遷移します。この状態にある間、モジュールは構成されたセッションの属性に基づいて基準前トリガサンプルを集録します。アーム基準トリガソースが「即時」に構成されている場合、モジュールは次のクロックエッジで、この状態から遷移します。利用可能なソースでソフトウェアまたはハードウェアトリガとして「アーム基準トリガソース」が構成されている場合は、モジュールは構成されたトリガが発生するまで、この状態で待機します。モジュールがトリガ状態を検出すると、モジュールはこの状態から遷移します。アーム基準トリガソースのデフォルトは「即時」です。
サンプリング中に基準トリガを待機 ― アーム基準トリガソースからアーム基準トリガを受信すると、モジュールはこの状態に遷移します。利用可能なソースでソフトウェアまたはハードウェアトリガとして「基準トリガソース」が構成されている場合は、モジュールは構成されたトリガが発生するまでこの状態で待機します。モジュールがトリガ状態を検出すると、モジュールはこの状態から遷移します。開始トリガソースのデフォルト値は「即時」です。
基準後トリガサンプリング ― モジュールが基準(停止)トリガを受信すると、モジュールはこの状態に遷移します。モジュールは、この状態の開始時にトリガ間のホールドカウンタを開始します。ホールドオフカウンタは、ユーザが構成するトリガホールドオフ属性に相当し、基準前トリガ最小サンプリング状態で使用されます。トリガホールドオフ属性を使用して、モジュールがレコード間の基準トリガを検知するのを待機させることができます。同時に、トリガ間のホールドオフカウンタが開始し、モジュールは構成されたセッションの属性に従って基準後トリガサンプルのサンプリングを開始します。基準後トリガサンプリングが完了すると、モジュールはこの状態から遷移します。
レコード完了 ― モジュールが基準後トリガサンプリングを完了すると、モジュールはこの状態に遷移します。現在のレコードがオンボードメモリに格納されると、モジュールはこの状態から遷移します。この状態が終了すると、モジュールはレコード完了イベントを出力します。
アドバンストリガを待機―モジュールがレコードを完了し、また集録するレコードがあることを確認した後に、モジュールはこの状態に遷移します。アドバンストリガソースが「即時」に構成されている場合、モジュールは次のクロックエッジで、この状態から遷移します。利用可能なソースでソフトウェアまたはハードウェアトリガとして「アドバンストリガソース」が構成されている場合は、モジュールは構成されたトリガが発生するまでこの状態で待機します。モジュールがトリガ状態を検出すると、モジュールはこの状態から遷移します。アドバンストリガソースのデフォルトは「即時」です。
完了 ― モジュールがレコードを完了し、すべてのレコードが完了したことを判断すると、この状態に遷移します。この状態に入る時、モジュールは一時的な状態を意味する集録完了イベントを出力します。フェッチまたは状態確認のいずれかが呼び出されると、モジュールはこの状態から遷移し、待機状態に戻ります。