入力抵抗

抵抗とは、電流の流れに対する抗力の程度を示します。DMMの入力抵抗は、電圧測定における確度に影響し、特にソース電圧の抵抗がDMMの入力抵抗に対して同程度の場合に顕著です。

たとえば、次の図に示すように、10 MΩ入力抵抗を持つDMMで、10 V DCレンジ内で50 Ωの直列抵抗を持つ9 Vのソース電圧を測定すると想定します。

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DMMが返す値の近似値は、次の式により計算できます。

VM = VS × [(Rin)/(RS + Rin)]

ここで、VMはDMMで測定された電圧、VSはソース電圧、RinはDMMの入力抵抗、RS は外部ソース抵抗です。

VM = (9 V × 10 M Ω)/(50 Ω + 10 M Ω)

VM = 8.99996 V

別の例をあげると、次の図に示すように、10 MΩ入力抵抗を持つDMMで、10 V DCレンジ内で1 M Ωの直列抵抗を持つ9 Vのソース電圧を測定すると想定します。

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同じ式を使用して、DMMが返す値の近似値を計算できます。

VM = (9 V × 10 M Ω)/(1 M Ω + 10 M Ω)

VM = 8.18182 V

低いソース抵抗でソース電圧を測定した場合、DMMは±0.0005% (5 ppm) 内の確度で値を返し、同じソース電圧を高抵抗で測定した場合、確度が±10% (100,000 ppm) 以内の値を返します。

NI 4065およびNI 4070/4071/4072を使用している場合は、DC電圧測定用の入力抵抗を選択できます。

電流モードでのシャント抵抗の詳細については、「シャント抵抗」セクションおよび「負担電圧」セクションを参照してください。