データを集録する

集録を構成した後、「niDMM読み取り」を呼び出すか、「niDMM開始」と「niDMMフェッチ」を呼び出すことにより、データを集録できます。

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読み取り

「niDMM読み取り」は、集録を開始し、集録したデータを読み取り、集録を停止し、制御をプログラムに返します。「niDMM読み取り」は、要求されたすべてのデータが集録されるまで制御をプログラムに返しません。トリガを構成していない場合、DMMは直ちに集録を開始して測定を集録します。トリガ動作のオプションについては、「シングルポイント集録」を参照してください。

集録動作の完了までに許可する時間の上限 (最大時間) を設定することができます。測定動作がこの時間内に終了しない場合、「niDMM読み取り」はエラーを返します。

「開始」と「フェッチ」

「niDMM開始」と「niDMMフェッチ」を使用することにより、「niDMM読み取り」よりも柔軟にデータを集録することができます。「niDMM開始」を使用すると、DMMがデータを集録している間に別の操作を実行できます。集録されたデータは、「niDMMフェッチ」を使用して取得することができます。

「niDMM開始」を実行した後、DMMがデータ収集を開始し、収集したデータをコンピュータのRAMに送信します。その間、制御が直ちにプログラムへ返され、コンピュータのプロセッサが解放されるため、他のタスクがプロセッサを使用できるようになります。

「niDMM開始」の後に「niDMMフェッチ」を呼び出します。「niDMMフェッチ」は、要求されたデータが集録されるまで待機し、集録されたデータをメモリからアプリケーションに転送します。タイムアウトパラメータで指定された時間内にデータが集録されない場合、NI-DMMはエラーを返します。集録が終了する前にDMMを停止するには、「niDMM中止」を使用します。

ヒント 使用可能な測定数を確認するには、「niDMMフェッチ」を呼び出す前に「niDMMステータス読み取り」を使用してください。
メモ 「niDMM読み取り」は、「niDMM開始」と「niDMMフェッチ」を1つの呼び出しに結合したものです。「niDMM読み取り」はシンプルな集録に適しています。スキャンやトリガを含む複雑なアプリケーションには、「niDMM開始」/「niDMMフェッチ」が適しています。

複数ポイント集録

複数ポイントを集録するには、「niDMM複数ポイント読み取り」を呼び出すか、「niDMM開始」と「niDMM複数ポイントをフェッチ」を呼び出します。もし、測定が最大時間内に完了しない場合、「niDMM複数ポイント読み取り」または「niDMM複数ポイントをフェッチ」は、タイムアウトエラーとともに集録済みデータを返します。

メモ CまたはVisual Basicを使用して複数ポイントのデータを集録する場合、プログラム中で配列を宣言する必要があります。この配列により、「niDMM複数ポイントをフェッチ」または「niDMM複数ポイント読み取り」で集録するデータ用の空き領域を確保します。LabVIEWでは、「niDMM複数ポイントをフェッチ」と「niDMM複数ポイント読み取り」が配列を処理してくれるため、配列を宣言する必要はありません。

波形集録

NI 4070/4071/4072には、波形取り込みに使用可能なデジタイザが搭載されています。

集録を構成するには「niDMM波形集録を構成」を使用します。波形データを取得するには「niDMM波形読み取り」を使用するか、「niDMM開始」と「niDMM波形をフェッチ」を使用します。

メモ CまたはVisual Basicでプログラミングする場合は、プログラムで配列を宣言する必要があります。この配列により、「niDMM波形読み取り」または「niDMM波形をフェッチ」で集録するデータ用に空き領域が確保されます。LabVIEWでは「niDMM波形読み取り」と「niDMM波形をフェッチ」が配列を処理してくれるため、配列を宣言する必要はありません。

集録動作の完了までに許可する時間の上限 (最大時間) を設定することができます。測定がこの時間内に完了しなかった場合、「niDMM波形読み取り」または「niDMM波形をフェッチ」は、エラーとともに集録済みのデータを返します。

シングルポイント測定、複数ポイント測定、波形集録を同じセッション内で実行する

同じセッション内で複数タイプの集録を組み合わせることができます。たとえば、セッションを開いて、シングルポイント読み取りを行い、その後波形を取得します。シングルポイントと複数ポイント測定を交互に行うことも可能で、電圧測定の実行後に構成を変更して抵抗測定を行うことも可能です。

「操作モード」プロパティは、DMMで標準のシングルイント測定/複数ポイント測定を行うのか、波形を取得するのかを制御します。

「niDMM測定を構成」または「niDMM波形集録を構成」を呼び出したときに、ドライバはこのプロパティに値を設定します。「niDMM測定を構成」が呼び出されると、「操作モード」プロパティは「IVIDMM MODE」に設定されます。「トリガカウント」プロパティと「niDMMサンプルカウント」プロパティが両方とも「1」に設定されている場合、ドライバはシングルポイント測定を実行します。「niDMM複数ポイントを構成」を呼び出すか、プロパティの値を直接設定することで、これらのプロパティのいずれかを変更した場合、ドライバは複数ポイント測定を実行します。「niDMM波形集録を構成」が呼び出されると、「操作モード」プロパティは「WAVEFORM MODE」に設定されます。

プロパティおよび属性でプログラミングを実行している場合、まず「操作モード」プロパティを正しい値に設定し、その後に構成に必要な別のプロパティの設定を行います。