OPEN/SHORT補正
- 更新日2023-07-12
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OPEN/SHORT補正
ほとんどの実用アプリケーションにおいて、DMMはスイッチや備品を経由してDUTに接続されています。このようなスイッチや備品は、測定における誤差の原因になることがあります。補正によって、NI 4072およびDUT間の誤差を最小限に抑えることができます。
オフセット補正
補正機能は、誤差を測定して、その誤差を実際の測定値に適用することで、テストシステムに起因する誤差を補正して最小限に抑えるものです。補正機能は、指定の機能およびレンジで測定を開始する前に設定する必要があります。
レンジや機能を変更した場合、補正なしのデフォルト設定に戻ります。そのため、値を再度計算する必要があります。テストシステムで柔軟性を最大に利用するために、補正値はAPIから返されます。これらの値は、チャンネル数の多いシステム用に操作、保管、ロードすることができます。
キャパシタンスおよびインダクタンス測定用にOPEN補正を実行するには、次の手順に従ってください。
- DUTをDMMから切断します。
- 希望のレンジでDMMのキャパシタンスおよびインダクタンスを構成します。
- 「niDMMケーブル補正タイプを構成」または「niDMM_ConfigureCableCompType」を呼び出し、ケーブル補正タイプを「CABLE COMP OPEN」に設定します。
- テスト装置に何も接続されていない、開放状態に設定します。使用中のスイッチシステムのキャパシタンスが別のチャンネルのキャパシタンスと類似している場合、1つのチャンネルを開放状態での測定専用にできます。低キャパシタンスおよび低導線抵抗をもつケーブルおよびスイッチの使用を推奨します。
- DMMへの入力が開放状態で、LabVIEWから「niDMM開放ケーブル補正を実行」または「niDMM_PerformOpenCableComp」を呼び出します。このVIまたは関数は、コンダクタンスとサセプタンスの2つの値を返します。
- 前の手順で得た2つの値を「niDMM開放ケーブル補正値を構成」または「niDMM_ConfigureOpenCableCompValues」に渡します。これらの値を渡すことで、後に続くすべての測定値から開放状態での測定値を差し引きます。
- 目的の測定を行います。
キャパシタンスおよびインダクタンス測定用にSHORT補正を実行するには、次の手順に従ってください。
- DUTをDMMから切断します。
- 希望のレンジでDMMのキャパシタンスおよびインダクタンスを構成します。
- 「niDMMケーブル補正タイプを構成」または「niDMM_ConfigureCableCompType」を呼び出し、ケーブル補正タイプを「CABLE COMP SHORT」に設定します。
- HIおよびLO端子間の低インピーダンス接続を使用して、テスト装置の端で短絡状態を設定します。使用中のスイッチシステムの複数のチャンネルでインダクタンスが類似している場合は、1つのチャンネルを短絡状態の測定専用にすることができます。低キャパシタンスおよび低導線抵抗をもつケーブルおよびスイッチの使用を推奨します。
- DMMへの入力が短絡状態で、LabVIEWから「niDMM短絡ケーブル補正を実行」または「niDMM_PerformShortCableComp」を呼び出します。このVIまたは関数は、抵抗とリアクタンスの2つの値を返します。
- 前の手順で得た2つの値を「niDMM短絡ケーブル補正値を構成」および「niDMM_ConfigureShortCableCompValues」に渡します。これらの値を渡すことで、後に続くすべての測定値から短絡状態での測定値を差し引きます。
- 目的の測定を実行します。
OPEN/SHORT補正
キャパシタンスおよびインダクタンス測定用にOPEN/SHORT補正を実行するには、次の手順に従ってください。
- DUTをDMMから切断します。
- 目的のレンジでDMMのキャパシタンスおよびインダクタンスを構成します。
- 「niDMMケーブル補正タイプを構成」または「niDMM_ConfigureCableCompType」を呼び出して、ケーブル補正タイプを「CABLE COMP OPEN AND SHORT」に設定します。
- テスト装置に何も接続されていない、開放状態に設定します。使用中のスイッチシステムのインダクタンスが別のチャンネルのインダクタンスと類似している場合、1つのチャンネルを開放状態の測定専用にできます。低キャパシタンスおよび低導線抵抗をもつケーブルおよびスイッチの使用を推奨します。
- DMMへの入力が短絡している状態で、「niDMM開放ケーブル補正を実行」または「niDMM_PerformOpenCableComp」を呼び出します。このVIまたは関数は、コンダクタンスとサセプタンスの2つの値を返します。
- 前の手順で得た2つの値を「niDMM開放ケーブル補正値を構成」または「niDMM_ConfigureOpenCableCompValues」に渡します。
- HIおよびLO端子間の低インピーダンス接続を使用して、テスト装置の端で短絡状態を設定します。使用中のスイッチシステムの複数のチャンネルでインダクタンスが類似している場合は、1つのチャンネルを短絡状態の測定専用にすることができます。低キャパシタンスおよび低導線抵抗をもつケーブルおよびスイッチの使用を推奨します。
- DMMへの入力が短絡状態で、「niDMMケーブル短絡補正を実行」または「niDMM_PerformShortCableComp」を呼び出します。このVIまたは関数は、抵抗とリアクタンスの2つの値を返します。
- 前の手順で得た2つの値を「niDMM短絡ケーブル補正値を構成」および「niDMM_ConfigureShortCableCompValues」に渡します。
- NI-DMMは、開放状態と短絡状態で測定された4つの値を使用して、後に続くすべての測定値を補正します。
- 目的の測定を実行します。
メモ 周囲温度の変動のほか、湿度などの環境要素の変化に対応するために、少なくとも毎日1回はOPEN/SHORT補正を実行する必要があります。スイッチシステムを使用する場合は、基準チャンネルでのOPEN/SHORT測定値がその他の補正されたチャンネルの測定値と近いことを確認してください。この補正方法での結果が許容誤差の要件を満たさない場合、OPENおよび/またはSHORT補正はDUT測定を行った同じチャンネルで実行する必要があります。