熱電対断線の検出 (OTD)
- 更新日2024-11-06
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熱電対の熱接点や熱電対信号の接続が切断されると、熱電対チャンネルの断線が発生します。このようなチャンネルは無効なデータを返します。熱電対断線の検出によって、熱電対チャンネルが切断されていないか確認できます。
デバイスには、チャンネルに接続されたプルアップ抵抗とバイアス抵抗ネットワークのグループがあります。これらは、正常に動作している場合、熱電対を接続すると分圧器を形成します。熱電対が切断されるか断線すると、熱電対断線検出回路が小規模の電流ソースによって範囲外の入力電圧を生成し、ソフトウェアでの制限値または条件による断線の検出を可能にします。この電流は、通常の操作では、ソース抵抗に印加するとリード線オフセットと呼ばれる入力電圧誤差の原因となります。多くのアプリケーションではこの誤差は大きな問題ではありませんが、高い確度を必要とし、細くて長いゲージ熱電対ワイヤによって大規模なソース抵抗が発生するアプリケーションでは、この誤差が大きな影響を及ぼす場合があります。
FD-11613、FD-11614、NI 4353、NI 9212、NI 9213、NI 9214で熱電対が切断したか、または断線したかどうかを判断するには、「熱電対断線チャンネル検出」と「熱電対断線チャンネル」属性/プロパティを使用します。「熱電対断線チャンネル検出」は、この属性/プロパティが最後にクエリされた時から1つ以上のチャンネルの接続が切断された場合にブール値TRUEを返し、「熱電対断線チャンネル」は、接続が切断されたチャンネルの仮想チャンネル名を返します。
リード線オフセット調整
リード線オフセットを除去するには、熱電対断線検出を無効にしてバイアス電流を除去します。SCXIモジュールを使用している場合は、バイアス抵抗ネットワークを除去することで熱電対断線検出を無効にできます。NI 4353とNI 9214では、熱電対断線チャンネル属性/プロパティでOTD電流を無効にすることができます。
リード線オフセット調整は、高確度と高抵抗熱電対ワイヤを必要とするアプリケーションで、熱電対断線検出機能を無効にできない場合に使用できます。NI 9214では、リード線オフセット調整のキャリブレーションをプログラム的に実行できます。リード線オフセット調整キャリブレーションによって、熱電対断線検出からのバイアス電流による測定値とバイアス電流がない場合の測定値の相違を算出することで、リード線オフセット誤差を補正できます。この相違は、AI.熱電対.リードオフセット電圧属性/プロパティに保存され、熱電対断線検出からの電流に対する補正のために測定値に適用されます。