デザインパターンとは、ソフトウェアエンジニアリングにおける一般的な問題に対応する、LabVIEW Real-Timeモジュールアプリケーション内で使用可能な構成ブロックです。アプリケーションにデザインパターンを使用することで、ソフトウェアエンジニアリングコミュニティの蓄積された経験を生かすことができます。デザインパターンの利点には以下が挙げられます。

  • 開発時間の短縮
  • 優れた堅牢性
  • コードの可読性の向上
  • 容易なデバッグ
  • 保全性の向上

ナショナルインスツルメンツでは、あらゆるRTハードウェアプラットフォーム用のLabVIEW Real-Timeモジュールアプリケーションで以下のデザインパターンを使用することを推奨します。NI-DAQまたはNI-RIOドライバをインストール済みの場合は、プロジェクトを作成ダイアログボックスを使用してCompactDAQ、DAQが挿入されたPXI、およびCompactRIOプラットフォーム用に設計されたサンプルプロジェクトを開いて、LabVIEWアプリケーションでこれらのデザインパターンのサンプルを参照できます。

使用例 デザインパターン 説明
プログラムステート間で移行する プロジェクトを作成ダイアログボックスから使用できる簡易ステートマシン。 有限数のステート、それらのステート間の遷移、および各ステートに関連する動作から構成されるアプリケーションデザイン。
並列ループ間で通信する プロジェクトを作成ダイアログボックスから使用できるキューメッセージハンドラ。 異なるレートでデータを生産するプロセスと消費するプロセスの間のデータの転送に使用されるアプリケーションデザイン。
RTデータサーバを作成する クライアント－サーバ クライアントがサービスの提供者 (サーバ) に動作やサービスを要求するアプリケーションデザイン。

CompactRIO特有のデザインパターンの情報については、ni.comからNI CompactRIO開発ガイドを参照してください。

メモ 生産者/消費者デザインパターンは、RTアプリケーションのタスク間通信の基盤に最適です。ただし、確定的ループと通信する場合は、RT FIFOが有効な単一プロセスシェア変数、またはRT FIFO関数を使用する必要があります。