組込UIまたはリモートフロントパネル接続を使用して、表示予定のRTターゲットVIを開発する際の設計上の考慮事項を以下の表に示します。一般に、UIの更新はタイムクリティカルループの外側に置いて、確定性がマイナスの作用を受けることがないようにしてください。組込UIを有効にすることで確定性に影響が出ることにも注意してください。ほとんどのアプリケーションで追加のジッタが可能なままであるはずですが、使用するシステムで最良の確定性を保証したい場合は、組込UIを無効にしてください。

フロントパネル制御器と表示器はタイムクリティカルループの外側に配置 タイムクリティカルループ内でフロントパネルの制御器と表示器を更新すると、確定性にマイナスの影響があります。
プロパティノードはタイムクリティカルループの外側に配置 タイムクリティカルループ内でプロパティノードを更新すると、確定性にマイナスの影響があります。
同期表示プロパティを有効にしない 制御器と表示器で同期表示プロパティを有効にすると、確定性にマイナスの影響があります。
UIが更新する時間を取る フロントパネル表示を更新するコードは、タイミングストラクチャ内のコードよりも低い優先順位で実行されています。タイムクリティカルコードで使用可能なRTターゲットリソースの大部分が使用される場合、フロントパネルの更新に遅延が生じることがあるかもしれません。このような遅延を防ぐには、タイミングストラクチャで十分な期間を指定して、タイムクリティカルコードがサイクル中に割り当てられたすべてのリソースを使用してしまわないようにしてください。

表示のパリティ

オペレーティングシステムの相違により、フォントや制御器などのフロントパネル要素が、組込UIで表示したり、リモートフロントパネル接続で表示したときに、ホストコンピュータで表示する場合とは異なって表示される場合があります。オペレーティングシステム間での表示の相違に関する詳細については、ni.com/infoに「DisplayParity」と入力してください。

組込UIでの言語サポート

組込UIでは、Real-Timeモジュールのローカライズ版がサポートされていません。このため、組込UIを使用するには、ホストコンピュータとRTターゲットの両方でReal-Timeモジュールの英語版を使用するようにしてください。

Xfceと組込UI

NIでは、RTターゲットの組込UIを作成するのに、Xfceを使用しています。Xfceは、UNIXのようなオペレーティングシステムの軽量デスクトップ環境を提供する、コンポーネントのコレクションです。Xfceの使用と構成に関する詳細については、XfceのWebサイトから提供されているXfceのヘルプを参照してください。.

組込UIテンプレート

ni.com/infoに「RTUITemplate」と入力すると、組込UI機能を備えた生産者/消費者のデザインパターンのデモ付きのアプリケーションにアクセスできます。

組込UIでサポートされていない機能

各RTターゲットのサポートされていない機能に加えて、組込UIは以下のLabVIEWの機能をサポートしていません。ほとんどの場合、組込UIを有効にしても、該当するパレットにはこれらの機能が表示されません。既存のVIにこれらの機能があっても、組込UIを有効にしたときにVIは実行されません。

  • サブパネル
  • XControl
  • 3Dグラフ
  • 3Dピクチャ制御器VI