パルス素測定および遷移波形測定では、波形特性の測定時の位置を識別する必要があります。識別を行うには、状態レベルと基準レベルを使用します。これらによって、時間領域測定の基礎として使用できる測定時間インターバルを得ることができます。

状態レベル

パルスまたは遷移は、さまざまな条件または状態による波形レベルの変化を伴います。最も一般的なケースとしては、HIGHとLOWの2つの状態を持つ波形が挙げられます。たとえば、理想的なデジタル信号はHIGH状態で5 V、LOW状態で0 Vなどとして定義されます。

基準レベル

基準レベルの基準レベルクロスを識別することで、波形情報を得ることができます。基準レベルクロスは、2つの隣接した波形のサンプルの振幅を基準レベルで分割して得られます。次の図に示すように、線形補間により、基準レベルクロスが交差する瞬間の近似値を求めることができます。

基準レベルは、それぞれ低レベルが0%、高レベルが100%というように状態レベルの割合 (パーセント) として指定することもできます。最も一般的な低、中、高基準レベルはそれぞれ10%、50%、90%です。次の図は、パルス波形の一般的な状態および基準レベルを示します。

状態レベルの決定にはヒストグラムが使用されます。ヒストグラムを使用すると、アンダーシュートおよびオーバーシュートピークを排除できるという利点があります。