NI InsightCM™ Enterprise​向け​の​NI​状態​監視​システム

概要

オンライン​状態​監視​ソリューション​で​ある​NI InsightCM Enterprise​と、​CompactRIO​を​ベース​と​する​NI​状態​監視​システム​を​併用​する​こと​により、​さまざま​な​アナログセンサ/​デジタルセンサ​入力​に​柔軟​に​対応​可能​な​ハードウェア​装置​を​実現​する​こと​が​でき​ます。​実現​した​装置​は、​直ちに​使用​可能​で​あり、​高い​互換性​を​有​した​もの​となり​ます。​CompactRIO​の​プラットフォーム​を​ベース​と​する​こと​から、​重要​な​回転​機械​と​補助​的​な​回転​装置​の​両方​を​網羅​する​オンライン​監視​システム​を、​従来​より​も​多様​な​資産​を​対象​として、​高い​コスト​効率​で​導入​する​こと​が​でき​ます。 ​ナショナル​イン​ス​ツル​メンツ​(NI)​は、​追加​の​設定​を​行う​こと​なく​簡単​に​使用​できる​よう​に、​すべて​の​計測​モジュール​を​セッティング​した​状態​で​システム​を​出荷​し​てい​ます。​それらの​システム​は、​チャンネル​と​センサ​の​具体​的​な​情報​を​入力​する​だけ​で​使用​する​こと​が​可能​です。

目次

  1. アプリケーション​ファームウェア: サーバ​と​の​通信
  2. アプリケーション​ファームウェア: データ​集録​の​モード
  3. 定期​的​な​集録、​イベント​に​基づく​集録
  4. 過渡​的​な​データ​の​集録
  5. ゲーティング
  6. アラーム
  7. バッファリング
  8. センサ​の​サポート
  9. 次​の​ステップ​と​関連​情報

アプリケーション​ファームウェア: サーバ​と​の​通信

NI InsightCM Enterprise​が​提供​する​アプリケーション​ファームウェア​により、​CompactRIO​を​ベース​と​する​NI​状態​監視​システム​では、​データ​を​集録/​バッファリング​した​うえ​で​NI InsightCM Server​に​転送​する​こと​が​でき​ます。​それらの​データ​は、​オープン​な​TDMS(Technical Data Management Streaming)​ファイル​形式​で​書き​出​さ​れ​ます。​なお、​NI InsightCM Server​に​接続​さ​れ​てい​ない​場合、​NI​状態​監視​システム​は​集録​した​データ​を​ローカル​に​保存​し​ます。​構成​(コン​フ​ィ​ギ​ュ​レ​ー​ション)​に​使用​した​パラメータ​に​も​より​ます​が、​最大​数​ヶ月​間​接続​さ​れ​てい​ない​場合​でも​十分​に​データ​を​保存​できるだけ​の​ストレージ​が​用意​さ​れ​てい​ます。​サーバ​(NI InsightCM Server)​に​再​接続​さ​れ​た​際、​ローカルに保存されているデータが存在すれば、​それら​は​サーバ​に​転送​さ​れ​ます。

 

 

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アプリケーション​ファームウェア: データ​集録​の​モード

NI​状態​監視​システム​の​さまざま​な​データ​集録​モード​について​理解​する​ため​に​は、​同​システム​に​接続​さ​れる​機械​類​に関する​基本​的​な​知識​が​必要​に​なり​ます。​具体​的​に​は、​主要​な​機械​を​図​1​に​示す​2​つ​の​カテゴリ​に​分類​し、​それぞれに​対応​づ​け​て​ソリューション​の​こと​を​理解​する​必要​が​あり​ます。

 

 

図​1. 機械​の​カテゴリ

 

1​つ​目​の​カテゴリ​は、​補助​的​な​周辺​機器​に​相当​する​機械​装置​です。​これ​に​は、​小​~​中型​の​モータ、​ファン、​ポンプ​など​が​含​まれ​ます。​一般に、​この​カテゴリ​の​機械​は、​重要​では​ある​ものの、​2​次​的​な​もの​で​ある​か、​設備​の​稼働​に​与える​リスク​が​低​~​中​程度​の​もの​で​ある​と​見​な​さ​れ​ます。​通常、​設備​の​80%​程度​は​これらの​機械​で​占​め​ら​れ​てい​ます。​そうした​機械​について、​定期​的​な​計測​あるいは​イベント​に​応​じ​た​計測​を​行う​こと​により、​専門​家​が​問題​を​診断​する​ため​に​十分​な​情報​を​取得​する​こと​が​でき​ます。​この​カテゴリ​の​機械​を​監視​する​ため​に​設計​さ​れ​た​システム​に​は、周期​および​イベント​記録​装置​(NI CMS-9068)が​あり​ます。

2​つ​目​の​カテゴリ​は、​非常​に​高価​で、​システム​の​運用​に​欠​か​せ​ない​機械​装置​です。​この​カテゴリ​に​は、​タービン​や​コンプレッサ​など​が​含​まれ​ます。​ほとんど​の​場合、​これらの​機械​は​安定​な​状態​で​稼働​し​て​おり、​定期​的​な​計測​や​イベント​に​応​じ​た​計測​で​十分​に​対応​でき​ます。​しかし、​タービン​の​起動​時​といった​一部​の​重要​な​状況​下​では、​過渡​的​な​データ​の​ストリーミング​を​行う​必要​が​あり​ます。​この​カテゴリ​の​機械​を​監視​する​ため​に​設計​さ​れ​た​システム​には過渡​現象、​周期、​および​イベント​記録​装置​(NI CMS-9024)が​あり​ます。

 

 

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定期​的​な​集録、​イベント​に​基づく​集録

NI​状態​監視​システム​では、​特定​の​(ユニーク​な)​イベント​に​対応​し​て​継続​的​に​データ​を​取得​し​て​監視​を​行い​ます。​ただし、​データ​が​ロギング​さ​れる​の​は、​特定​の​イベント​が​生​じ​た​とき、​または​アラーム​を​発する​ため​に​設定​した​条件​が​成立​した​とき​のみ​です。​イベント​として​は、​以下​の​よう​な​もの​が​あり​ます。

  • 時間​または​周期​の​指定​による​集録: ユーザ​が​設定​した​時間​間隔​(1​時間​おき、​1​日​1​回、​1​日​3​回​など)​で​データ​を​集録​し​ます。
  • EU(Engineering Units:​工学​単位)​量​に​変化​が​生​じ​た​とき​に​集録: 振動、​温度、​周波数​帯域​など​1​つ​以上​の​要素​に、​指定​した​量​を​超える​変化​が​あっ​た​とき​に​データ​を​集録​し​ます。​値​が​増加​した​場合​も​減少​した​場合​も、​トリガ​の​対象​と​する​こと​が​でき​ます。​基準​に​なる​レベル​は、​NI​状態​監視​システム​が​起動​する​とき​に​設定​さ​れ​ます。

例えば、​ある​特性​(RMS(g)​など)​の​値​が​起動​時に​「1」​で​あっ​た​と​し​ます。​この​場合、​基準​の​EU​値​は​1​に​なり​ます。​そして​トリガ​の​レベル​が​「3」​に​設定​さ​れ​て​いる​と​し​ます。​基準​の​EU​値​は​「1」​なので、​値​が​「-​2」​を​下回る​か​「4」​を​超​え​たら、​システム​は​条件​が​成立​した​と​判断​し​ます。​ここ​で、​現在​の​値​が​「5」​に​な​っ​た​と​し​ます。​すると​システム​は​集録​を​開始​し、​新しい​EU​値​を​「5」​に​設定​し​ます。

  • 強制​トリガ​による​集録: この​トリガ​は、​アラーム​など​によって​報告​さ​れ​た​問題​へ​の​対処​に​向け​て、​装置​の​状態​を​素​早く​確認​した​い​場合​に​便利​な​機能​です。​この​トリガ​は​NI InsightCM Enterprise​の​さまざま​な​メニュー​項目​から​起動​する​こと​が​でき​ます。

 

 

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過渡​的​な​データ​の​集録

NI CMS-9024​では、​定期​的​な​集録​と​イベント​に​基づく​集録​に​加​えて​過渡​的​な​データ​の​集録​も​可能​です。​過渡​的​な​データ​は、​上述​した​高価​で​高​リスク​な​機械​の​状態​を​確認​する​うえ​で​重要​な​意味​を​持つ​ケース​が​よく​あり​ます。​図​2​に、​過渡​的​な​イベント​の​例​(ガス​タービン​の​コーストダウン)​を​示し​ま​した。

 

図​2. 過渡​的​な​イベント

 

CMS-9024​では、​過渡​的​な​イベント​が​生​じ​て​いる​最中​に、​時間​軸​の​波形​データ​を​継続​的​に​ストリーミング​する​よう​設定​する​こと​が​でき​ます。​この​例​の​場合、​ユーザ​は、​速度​が​3450 rpm​を​下回​っ​た​時点​で​データ​の​継続​的​な​集録​を​開始​し、​750 rpm​を​下回​っ​た​時点​で​再度、​定期​的​な​データ​集録​に​戻る​よう​設定​を​行​って​い​ます。

また、​NI​状態​監視​システム​では、​速度​の​変化​のみ​に​基​づ​い​て​過渡​的​な​データ​を​保存​する​よう​に​設定​する​こと​も​でき​ます。​さらに、​速度​の​変化​量​(10 rpm​ごと、​20 rpm​ごと、​100 rpm​ごと​など)​に​基​づ​い​て​過渡​的​な​データ​を​集録​する​よう​に​設定​する​こと​も​可能​です。

 

 

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ゲーティング

2​種​の​NI​状態​監視​システム​(CMS-9068、​CMS-9024)​は、​いずれ​も​集録​の​「ゲーティング」​という​概念​を​サポート​し​てい​ます。​ゲーティング​と​は、​集録に関するほかの設定にかかわらず、​一定​の​しき​い​値​を​超​え​ない​限り​データ​の​保存​を​行​わ​ない​という​こと​を​意味​し​ます。​例えば、​稼働​し​てい​ない​機械​の​データ​を​1​時間​ごと​に​集録​する​ことに​意味​は​ありま​せん。​ユーザ​が、​上述​した​時間​または​周期​の​指定​による​データ​集録​用​イベント​の​設定​を​行い​つつ、​ゲーティング​の​設定​を​怠​っ​た​場合​に​は、​機械​の​状態​に​か​かわら​ず​データ​が​収集​さ​れ​て​しま​い​ます。​そう​では​なく、​振動​が​一定​の​レベル​を​超​え​た​場合、​あるいは​温度​が​一定​の​しき​い​値​を​超​え​た​場合​といった​具合​に​ゲーティング​の​条件​も​設定​し​て​おく​必要​が​あり​ます。​そうすれば、​この​条件​が​満​た​さ​れ​た​場合にのみ 、​集録​が​行​われ​ます。

 

 

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アラーム

NI​状態​監視​システム​では、​オン​ボード​の​解析​によって、​アラーム​を​発​すべ​き​条件​を​リアルタイム​で​検出​する​こと​が​でき​ます。​ユーザ​が​設定​した​アラーム​の​条件​は、​サーバ​から​集録​用​の​装置​へ​と​ダウンロード​さ​れ​ます。​集録​用​の​装置​は、​アラーム​を​発​すべ​き​条件​を​検出​した​際、​TDMS​ファイル​形式​で​関連​する​情報​を​保存​し、​アラーム​の​通知​情報​を​サーバ​に​送信​し​ます。

 

 

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バッファリング

先述​した​よう​に、​NI​状態​監視​システム​は​特定​の​イベント​に​対応​する​データ​を​継続​的​に​監視​し​ます​が、​すべて​の​データ​を​ロギングする​わけ​では​ありま​せん。​継続​的​に​収集​さ​れ​た​データ​は​オン​ボード​の​バッファ​(メモリ)​に​保存​さ​れ​ます。​オン​ボード​の​バッファ​の​サイズ​は、​NI InsightCM Systems Manager​の​「Acquisition Settings(集録​設定)」​タブ​で​設定​した​継続​時間​に​応​じ​て​決まり​ます。​ユーザ​は​総​継続​時間​と​プレトリガ​継続​時間​の​両方​を​定義​する​こと​が​でき​ます。​多く​の​場合、​集録​すべ​き​最も​重要​な​データ​は​プレトリガデータ​(イベント/​トリガ​が​発生​する​直前​の​データ)​です。​システム​は​継続​的​に​監視​を​行​って​いる​ので、​プレトリガ​(イベント)​と​ポスト​トリガ​(イベント)​の​両方​の​データ​を​集録​可能​です。​(上の​セクション​で​説明​した)​イベント​が​発生​すると、​NI​状態​監視​システム​の​すべて​の​チャンネル​におけるすべてのデータ​(未処理​の​時間​軸​波形​と​特性​の​データ)​が​TDMS​ファイル​に​保存​さ​れ​ます。

 

 

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センサ​の​サポート

過渡​現象、​周期、​および​イベント​記録​装置​(CMS-9024)周期​および​イベント​記録​装置​(CMS-9068)は、​いずれ​も​さまざま​な​センサ​入力​に​対応​し​てい​ます。​両​システム​とも、​標準​的​な​加速度​計、​速度​計、​スピードセンサ、​近接​プローブ​から​の​入力​を​サポート​し​ます。

  • 周期​および​イベント​記録​装置​(CMS-9068)
    CMS-9068​は、​加速度​計、​速度​計、​スピードセンサ、​近接​プローブ​の​各​入力​に​加​えて、​RTD(測​温​抵抗​体)、​熱電​対、​デジタル​入力​など、​出力​範囲​が​0 V​~​10 V​の​任意​の​センサ​から​の​入力​に​対応​し​ます。​NI InsightCM Systems Manager​は、​この​出力​範囲​の​センサ​に対し、​「y​=​mx​+​b」​という​式​を​用​い​て​適切​な​工学​単位​に​データ​を​スケーリング​する​ため​の​メカニズム​を​備え​てい​ます。​集録​の​スキャン​レート​は、​スタティック​モジュール​で​1 Hz、​ダイナミック​モジュール​では​最高​102.4 kHz​です。​表​1​に、​使用​可能​な​センサ​入力​の​一覧​を​示し​ます。

 

 

加速度、​速度、​近接​度、​電圧​波形​に​対応​する​モジュール

NI 9232

3​チャンネル​の​DSA、​±30 V

スタティック​な​電圧

NI 9205

16​チャンネル​の​差動​入力

NI 9207

8​電圧/​8​電流

NI 9229

高い​絶縁​性能、​4​チャンネル​の​アナログ​入力、​±60 V

NI 9239

高い​絶縁​性能、​4​チャンネル​の​アナログ​入力、​±10 V

電流

NI 9207

8​電圧/​8​電流

NI 9208

16​チャンネル、​4 mA​~​20 mA

温度

NI 9211

4​チャンネル​の​熱電対

NI 9213

16​チャンネル​の​熱電対

NI 9214

16​チャンネル​の​高​精度​熱電対

NI 9217

4​チャンネル​の​RTD

デジタル​入力

NI 9425

32​チャンネル​の​シンク​デジタル​入力​(コンタクト​ク​ロー​ジャ)

NI 9426

32​チャンネル​の​ソース​デジタル​入力​(コンタクト​ク​ロー​ジャ)

その他

NI 9219

複数​の​センサ​(V、​mA、​Ω、​オープン​コンタクト、​熱電​対、​RTD)​に​対応​する​4​チャンネル​の​ユニバーサル​モジュール

CMS-9068​向け​の​NI​の​計測​モジュール

  • 過渡​現象、​周期、​および​イベント​記録​装置​(CMS-9024)
    CMS-9024​は、​加速度​計、​振動、​近接​プローブ​の​データ​のみ​を​集録​する​よう​に​設計​さ​れ​てい​ます。​CMS-9068​と​は​異​なり、​CMS-9024​は​Keyphasor​を​サポート​し​ます​(最大​3​チャンネル)。​Keyphasor​の​チャンネル​は、​組​込​リアル​タ​ム​コントローラ​で​ある​cRIO-9024​の​スロット​1​で​のみ​サポート​さ​れ​てい​ます。

 

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