圧力​計測​の​概要

概要

この​ドキュメント​では、​圧力​に関する​基本​概念​と​様々​な​圧力​センサ​の​動作​の​仕組み​の​理解​に​役立つ​情報​を​提供​し​てい​ます。​様々​な​センサ​から​選ぶ​こと​が​でき、​動作​原理​や​利点、​欠点、​注意事項​が​それぞれ​異​なり​ます。


​ ​センサ​を​選ぶ​際​に​は、​センサ​の​特性​の​ほか、​必要​な​ハードウェア​が​圧力​計測​を​正しく​調節​し​収集​できる​もの​で​ある​こと​を​考慮​する​必要​が​あり​ます。​例えば、​未​調節​の​圧力​センサ​に​は​電圧​励起​が​必要​で、​その​機能​は​一部​の​計測​ハードウェア​に​しか​搭載​さ​れ​てい​ま​せん。​圧力​計測​に​必要​な​計測​ハードウェア​を​より​理解​する​に​は、高​確度​の​センサ​計測​を​実現​する​ため​の​テクニカル​ガイドを​ご覧​くだ​さい。

目次

  1. 圧力​とは
  2. 圧力​計測​方法
  3. 圧力​センサ​の​仕組み
  4. 適切​な​圧力​センサ​を​選ぶ​には
  5. 圧力​センサ​の​信号​調節

圧力​とは

圧力​と​は、​流体​が​周辺​に対して​かける​力​を​単位​当たり​で​表​した​もの​です。​圧力​P​は、​力​F​と​面積​A​の​関数​です。

P = F/A

圧力​の​SI​単位​は​パスカル​(Pa、​N/m2)​ですが、​重量​ポンド/​平方​インチ​(PSI)、​気圧​(atm)、​バール​(bar)、​水銀柱​インチ​(inch Hg)、​水銀柱​ミリメートル​(mm Hg)、​トル​など​も​一般​的​に​使用​さ​れ​ます。

圧力​計測​は、​静的​または​動的​で​表現​さ​れ​ます。​モーション​の​ない​圧力​を​静的​圧力​といいます。​静的​圧力​に​は、​風船​の​中​の​空気​の​圧力​やたら​い​の​中​の​水圧​など​が​あり​ます。​また、​液体​が​動く​こと​で​周囲​に​かかる​力​が​変化​する​こと​も​あり​ます。​例えば、​ノズル​が​閉​まっ​た​状態​の​ホース​内​の​水圧​は、​1​平方​インチ​あたり​40​ポンド​(単位​面積​あたり​の​力)​です。​ノズル​を​開く​と、​水​が​出​て​圧力​は​下がり​ます。​圧力​計測​を​正しく​行う​に​は、​計測​が​どの​よう​な​状況​で​行​われる​か​を​考慮​する​必要​が​あり​ます。​液体​の​流れ​や​圧縮​性、​外力​など、​多く​の​要因​が​圧力​に​影響​し​ます。

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圧力​計測​方法

また、​圧力​計測​は​実行​する​計測​の​タイプ​によって​も​分類​でき​ます。​圧力​計測​に​は、​絶対​圧、​ゲージ​圧、​差​圧​の​3​つ​の​種類​が​あり​ます。 「絶対​圧」は​真空​状態​で​の​圧力​を​示す​もの​ですが、「ゲージ​圧」​と​「差​圧」は​大​気圧​や​隣接​血管​の​血圧​など​他の​圧力​を​示し​ます。

 

絶対圧

ゲージ圧

差圧

図​1. 各種​計測​方法​の​圧力​センサ図

絶対圧

絶対​計測​法​は、​0 Pa、​真空​で​の​静的​圧力​に対し​相対​的​です。​計測​する​圧力​は、​対象​と​なる​圧力​の​他​に​気圧​の​影響​も​受け​ます。​そのため、​絶対​圧​計測​に​は、​気圧​の​影響​も​含​まれ​ます。​この​タイプ​の​計測​は、​高度​計​や​真空​圧​に​使用​さ​れる​よう​な​気圧​の​計測​に​適​し​てい​ます。​通常、​絶対​圧​は​PAA(パスカル​絶対​圧 : Pascals Absolute)​または​PSIA(PSI​絶対​圧 : Pounds per Square Inch Absolute)​の​頭字​語​で​表​し​ます。

ゲージ圧

ゲージ​圧​は、​大​気圧​を​基準​として​計測​し​ます。​つまり、​基準​と​なる​圧力​も​計測​対象​の​圧力​も、​どちら​も​気圧​の​影響​を​受ける​という​こと​です。​そのため、​ゲージ​圧​計測​では​気圧​の​影響​は​除外​さ​れ​ます。​その​よう​な​計測​の​例​として​は、​タイヤ​圧​や​血圧​の​計測​が​あり​ます。​絶対​圧​と​同様、​PAG(パスカル​ゲージ​圧 : Pascals Gauge)​または​PSIG(PSI​ゲージ​圧 : Pounds per Square Inch Gauge)​の​頭字​語​で​表​し​ます。

差圧

差​圧​は、​ゲージ​圧​に​よく​似​てい​ます。​ただし​基準​と​なる​の​は​周囲​気圧​では​なく、​システム​内​の​他の​圧力​ポイント​です。​この​方法​を​使用​すると、​例えば​コン​プ​レ​ッ​サタン​ク​と​関連​の​給水​ライン​の​2​つ​の​容器​内​の​相​対応​圧力​を​計測​し​て​圧力​を​維持​する​こと​が​でき​ます。​通常、​絶対​圧​は​Pad(パスカル​絶対​圧 : Pascal’s differential)​または​PSID(PSI​絶対​圧 : pounds per square inch differential)​の​頭字​語​で​表​し​ます。

 

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圧力​センサ​の​仕組み

圧力​センサ​に​は​様々​な​種類​が​あり、​計測​条件​や​範囲、​センサ​の​構造​に​使用​さ​れ​て​いる​材質​など​が​異​なり​ます。​液体​に​沿​って​設置​さ​れ​た​振動​板​の​た​わ​み​の​量​を​検出​する​こと​で、​圧力​を​変位​など​何らかの​中間​形態​に​変換​できる​場合​も​あり​ます。​センサ​は、​この​変位​を​電圧​や​電流​の​よう​な​電気​的​出力​に​変換​し​ます。​振動​板​の​面積​が​わか​って​いる​場合​は、​圧力​を​計算​する​こと​が​でき​ます。​圧力​センサ​に​は、​工学​単位​に​変換​できる​スケール​が​内蔵​さ​れ​てい​ます。

この​よう​な​圧力​トランスデューサ​の​最も​一般​的​な​タイプ​は、​ブリッジ​(歪み​ゲージ​を​使用)、​可変​キャパシタンス、​圧​電​素子​です。

ブリッジ​ベース

圧力​センサ​の​中​で、​ホ​イ​ー​トス​トーン​ブリッジ​(歪み​ベース)​センサ​が​最も​一般​的​で、​様々​な​確度、​サイズ、​堅固​性、​コスト​の​要求​に​応える​こと​が​でき​ます。​ブリッジベースセンサ​は、​高圧​アプリケーション​でも​低圧​アプリケーション​でも​絶対​圧、​ゲージ​圧、​差​圧​を​計測​でき​ます。​圧力​を​受け​た​振動​板​の​変形​の​検出​に​は、​歪み​ゲージ​を​使用​し​ます。



図​2. 一般​的​な​ブリッジ​ベース​圧力​センサ​の​断面​[1]

 

圧力​の​変動​によって​振動​板​が​動く​と、​歪み​ゲージ​上の​対応​する​抵抗​に​変化​が​起​こ​り​ます。​この​変化​は、​信号​調節​済み​の​DAQ​システム​で​測定​でき​ます。​箔​歪み​ゲージ​は、​振動​板​に​直接​接着​する​か、​振動​板​に​機械​的​に​接続​さ​れ​て​いる​パーツ​に​接着​する​こと​が​でき​ます。​シリコン​の​歪み​ゲージ​が​使用​さ​れる​こと​も​あり​ます。​この​方法​では、​抵抗はシリコンでできた回路基板上にエッチング処理され、​トランス​ミッション​液​を​使用​し​て​振動​板​の​圧力​を​回路​基板​に​送信​し​ます。

静​電​容量​式​圧力​センサ

可変​キャパシタンス​の​圧力​トランスデューサ​は、​金属​ダイアフラム​と​固定​さ​れ​た​金属​板​間​の​キャパシタンス​の​変化​を​測定​し​ます。​2​つ​の​金属​板​間​の​キャパシタンス​は、​圧力​の​適用​によって​発生​する​それらの​金属​板​間​の​距離​の​変化​に​伴​って​変化​し​ます。


図​3. キャパシタンス​圧力​トランスデューサ​[2]

 

圧​電​型​圧力​センサ

圧​電​型​センサ​は、​抵抗​ブリッジ​トランスデューサ​では​なく、​水晶​振動​子​の​電気​特性​のみ​を​利用​し​てい​ます。​水晶​は​歪み​が​起こる​と​電荷​を​生成​し​ます。​電極​は、​水晶​から​の​電荷​を​センサ​に​内蔵​さ​れ​た​アンプ​に​送り​ます。​これらの​センサ​では、​外部​励​起源​は​不要​ですが、​衝撃​と​振動​の​影響​は​受け​や​すく​な​って​い​ます。


図​4. 圧​電​型​圧力​トランスデューサ​[2]


信号​調節​済み​圧力​センサ

アンプ​など​の​集積​回路​を​内蔵​した​センサ​は、​増幅​センサ​と​呼​ば​れ​ます。​その​よう​な​タイプ​の​センサ​は、​ブリッジ​ベース、​静​電​容量​式、​または​圧​電​型​トランスデューサ​を​使​って​構築​する​こと​が​でき​ます。​ブリッジ​ベース​の​増幅​センサ​の​場合、​DAQ​デバイス​で​直接​圧力​を​計測​する​の​に​必要​な​構成​抵抗​と​増幅​が​ユニット​自体​に​装備​さ​れ​てい​ます。​励起​機能​も​あり​ます​が、​励起​の​確度​は​あまり​重要​では​ありま​せん。

 

光​圧力​センサ

光​検出​による​圧力​計測​に​は、​ノイ​ズイ​ミ​ュ​ニ​テ​ィ​や​絶縁​など​多く​の​メリット​が​あり​ます。​この​計測​方法​の​詳細​について​は、FBG​光​センシング​の​基本を​参照​し​て​くだ​さい。

 

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適切​な​圧力​センサ​を​選ぶ​には

圧力​センサ​の​中​で​最も​一般​的​に​使​われ​て​いる​の​は、​構造​が​シンプル​で​耐久性​に​優​れ​た​ブリッジ​ベース​または​圧​電​型​センサ​です。​つまり​比較的​低​コスト​という​こと​で​あり、​多​チャンネル​システム​に​最適​です。​一般に、​箔​歪み​ゲージ​は​高圧​(最大​700M Pa)​アプリケーション​で​使用​さ​れ​ます。​また、​シリコン​の​歪み​ゲージ​(100℃)​に​比べ​動作​温度​は​高い​(200℃)​ですが、​シリコン​の​歪み​ゲージ​に​は​オーバー​ロード​が​大きい​という​メリット​が​あり​ます。​感度​が​高い​ため、​低圧​アプリケーション​(2k Pa​以下)​でも​よく​利用​さ​れ​てい​ます。

静​電​容量​式​および​圧​電​型​圧力​トランスデューサ​は、​一般に​安定性​が​あり​線形​的​ですが、​高温​の​影響​を​受け​や​すく​他の​圧力​センサ​に​比べ​て​設定​が​複雑​です。​圧​電​型​センサ​は、​圧力​の​変化​へ​の​応答​性​に​優​れ​てい​ます。​その​よう​な​理由​から、​爆発​など​の​事象​の​高速​圧力​計測​に​使用​さ​れ​ます。​優​れ​た​動的​性能​を​備え​て​いる​分、​コスト​効果​は​高​く​なく、​デリケート​な​水晶​コア​を​守る​ため​慎重​に​扱う​必要​が​あり​ます。

信号​調節​済み​センサ​は、​フィルタ​や​信号​増幅​用​コンポーネント、​励起​リード​線、​計測​用​の​通常​回路​を​搭載​し​て​いる​ため、​一般に​高​価格​です。​チャンネル​数​の​少ない​システム​では​専用​の​信号​調節​システム​が​備​わっ​てい​ない​こと​が​ある​ため、​その​よう​な​チャンネル​数​の​少ない​システム​に​適​し​てい​ます。​調節​機能​が​内蔵​さ​れ​て​いる​ので、​何らかの​形​で​センサ​に​電力​が​供給​さ​れ​て​いる​限り​は、​センサ​を​DAQ​デバイス​に​直接​接続​する​こと​が​でき​ます。​未​調節​の​ブリッジ​ベース​圧力​センサ​を​使用​し​て​いる​場合​は、​ハードウェア​に​信号​調節​が​必要​です。​増幅​や​フィルタ​に​別​の​コンポーネント​が​必要​か​どうか​について​は、​センサ​の​マニュアル​を​参照​し​て​くだ​さい。

 

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圧力​センサ​の​信号​調節

圧力​センサ​の​中​で​圧倒的​に​よく​使用​さ​れ​て​いる​の​が、​ブリッジ​ベース​の​圧力​センサ​です。​効果​的​な​ブリッジ​ベース​圧力​計測​システム​を​構築​する​に​は、​信号​調節​について​複数​の​要素​を​考慮​する​必要​が​あり​ます。​具体​的​に​は、​以下​の​いずれ​か​に​当てはまる​必要​が​あり​ます。

  • 励起​によって​ホ​イ​ー​トス​トーン​ブリッジ​回路​に​電源​を​供給
  • リード​線​の​長​さ​による​励起​電圧​の​誤差​を​補正​する​リモートセンシング
  • 増幅​により​計測​分解能​を​高め​S/​N​比​を​向上
  • フィルタ​処理​により​外​的​な​高周波​ノイズ​を​除去
  • オフセットヌル​によって​歪み​が​か​かって​い​ない​時​の​ブリッジ​の​出力​を​0 V​に​調整
  • シャント​校正​を​行​って​ブリッジ​の​出力​を​予測​さ​れる​既知​値​によって​検証

 

そうした​誤差​の​補正​方法​や、​ブリッジ​ベース​の​圧力​計測​における​その他​の​ハードウェア​面​で​の​注意事項​につきまして​は、高​確度​の​センサ​計測​を​実現​する​ため​の​テクニカル​ガイドを​参照​し​て​くだ​さい。

 




参考文献

  1. http://​sensing.honeywell.com/​white-​paper-​effectivelyusingpressureloadandtorquesensorswithtodaysdataacqusitionsystems-008883-2-​en.pdf
  2. http://​www.sensorsmag.com/​sensors/​pressure/​pressure-​measurement-​principles-​and-​practice-969


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