NI PXI​における​タイミング/​同期​設計​の​強み

目次

  1. 概要
  2. PXI/​PXI Express​シャー​シ​の​タイミング/​同期
  3. 信号​ベース​の​同期、​時間​ベース​の​同期
  4. 発振器​の​選択肢
  5. NI-​TClk 技術
  6. NI の​PXI​設計​が​もたらす​その他​の​メリット

概要

PXI​タイミング/​同期モジュールを導入すれば、​PXI​の​トリガ​バス​や、​スタート​リガ、​システム​基準​クロック​機能​を​使用​し​て、​複数​台​の​デバイス​を​高度​に​同期​させる​こと​が​でき​ます。​タイミング​の​共有​や​同期​により、​計測​確度​を​大幅​に​向上​し、​高度​な​トリガ​スキーム​を​実装​した​り、​複数​の​デバイス​を​同期​さ​せ​たり​する​こと​で、​あたかも​一つ​の​多​チャンネル​の​アプリケーション​で​ある​か​の​よう​に​動作​させる​こと​が​可能​です。​NI​は​大手​テスト​機器/​計測​器​ベンダ​の​中​で、​唯一、​PXI​タイミング/​同期​モジュール​製品​を​提供​し​てい​ます。​NI PXI​製品​の​ポートフォリオ​は、​低​コスト​の​ソリューション​から、​業界​最高​性能​を​誇る​PXI Express​タイミング/​同期​モジュール「NI PXIe-6674T」​まで​多岐​にわたり、​広範​な​アプリケーション​で​同期​化​を​実現​し​ます。

表​1. NI PXI​タイミング/​同期​モジュール​の​製品​ポートフォリオ

ライン​アップ​が​多彩​な​NI PXI​タイミング/​同期​モジュール​を​活用​する​こと​で、​以下​の​よう​な​こと​が​可能​に​なり​ます。

• PXI​トリガ​バス​と​PXI​スタート​リガ​ライン​の​制御
​• 安定性に優れた​OCXO(恒温​槽​付​水晶​発振器)​ベース​の​PXI​システム​基準​クロック​(CLK10)​を​生成
​• 高​精度​の​直接​デジタル​合成​(DDS)​クロック​を​生成
​• GPIB​や​VXI​など​を​利用​した​計測​器​と​PXI​計測​器​を​同期
​• 複数​台​の​PXI​シャー​シ​を​同期

 

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PXI/​PXI Express​シャー​シ​の​タイミング/​同期

NI​は、​PXI​シャー​シ​と​PXI Express​シャー​シ​の​両方​に​向け​て、​タイミング/​同期​ソリューション​を​提供​し​てい​ます。​最新​の​PXI​プラットフォーム​は、​PXI Express​規格​を​採用​する​こと​で、​下位​互換性​を​維持​し​ながら、​PXI-1​を​上回る​確度​で​計測​I/​O​デバイス​の​同期​を​と​れる​よう​に​設計​さ​れ​てい​ます。​PXI Express​は、​10 MHz​の​バック​プレー​ン​クロック​だけ​で​なく、​PXI​規格​で​もともと​提供​さ​れ​てい​た​シングル​エンド​PXI​トリガ​バス​や、​長​整合​PXI​スタート​リガ​信号​も​引き続き​提供​し​ます。​さらに、​PXI Express​では、​100 MHz​の​差動​クロック​と​差動​スタート​リガ​を​バック​プレー​ン​に​追加​する​こと​で、​耐​ノイズ​性​の​向上​を​図​り、​業界​最高​レベル​の​同期​精度​(モジュール​間​スキュー​は​それぞれ、​250 ps​と​500 ps)​を​実現​する​こと​が​でき​ます。​NI​タイミング/​同期​モジュール​は、​PXI/​PXI Express​シャー​シ​が​内蔵​する​高度​な​タイミング/​トリガ​リング​技術​を​活用​できる​よう​に​設計​さ​れ​てい​ます。

図​1. PXI​シャー​シ​の​タイミング/​同期​機能

 

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信号​ベース​の​同期、​時間​ベース​の​同期

NI PXI​タイミング/​同期​モジュール​は、​2​種類​の​同期​アーキテクチャ、​すなわち​信号​ベース​と​時間​ベース​それぞれ​の​アーキテクチャ​に​対応​し​ます。​このモジュールの優れた柔軟性とカスタマイズ性を活かせば、​要求​性能​の​レベル​が​異なる​複数​の​アプリケーション​の​開発​が​可能​に​なり​ます。

図​2. 信号​ベース​同期​アーキテクチャ​と​時間​ベース​同期​アーキテクチャ​の​性能

信号​ベース​の​NI PXI​タイミング/​同期​アーキテクチャ​では、​クロック​と​トリガ​は、​サブシステム​間​で​物理​的​に​接続​さ​れ​ます。​一般​的​に​は、​このアーキテクチャを用いれば、​最高​精度​の​同期​を​実現​でき​ます。​ただし、​サブシステム​間​を​つなぐ​ケーブル​が​長​すぎる​(約​200 m​以上)​と、​クロック​スキュー​や​クロック​ドリフト​が​生​じ、​性能​を​十分​に​発揮​する​こと​が​でき​ま​せん。

同期​の​対象​と​する​シャー​シ​を​つなぐ​ケーブル​が​長​すぎる​と、​クロック​信号​や​トリガ​信号​を​確実​に​送信​でき​なく​なり​ます。​この​よう​な​場合​に​は、​時間​ベース​の​同期​アーキテクチャ​を​使用​しな​け​れ​ば​なり​ま​せん。​NI PXI​タイミング/​同期ソリューションを用いれば、​IEEE 1588​や、​GPS、​IRIG-​B​といった​絶対​時間​基準​プロトコル​を​使用​し、​長距離​における​同期​を​実現​でき​ます。

 

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発振器​の​選択肢

PXI​プラットフォーム​が​内蔵​する​タイミング/​同期機能を利用すれば、​10 MHz​または​100 MHz​の​システム​基準​クロック​を​バック​プレー​ン​に​分配​し、​PXI​シャー​シ​内​の​モジュール​間​で​同期​を​とる​こと​が​でき​ます。​同様​に、​10 MHz​基準​クロック​を​シャー​シ​の​バック​プレー​ン​間​に​分配​すると、​複数​台​の​PXI​シャー​シ​間​で​モジュール​の​同期​を​とる​こと​が​可能​です。​この​システム​基準​クロック​は、​シャー​シ​の​バック​プレー​ン​が​備える​独立​型​発振器​を​周波数​源​として​稼働​し​てい​ます。​いかなる​発振器​でも、​指定​さ​れ​た​周波数​の​クロック​を​完璧​に​生成​する​の​は​不可能​です。​クロック​の​誤差​を​生み出す​主​な​要因​は、​確度​と​安定性、​ジッタ​です。​NI PXI Express​シャー​シ​では、​発振器​の​確度​は​25 ppm​です。​シャー​シ​の​システム​タイミング​スロット​に、​OCXO​ベース​の​NI PXI​タイミング/​同期​モジュール​を​挿入​すると、​バック​プレー​ン​の​システム​基準​クロック​を、​50ppb​の​確度​を​有する​発振器​の​周波数​源​に​置換​でき​ます。​さらに、​TCXO(温度​補償​型​水晶​発振器)​ベース​の​NI PXI​タイミング/​同期モジュールを挿入すれば、​バック​プレー​ン​の​システム​基準​クロック​を、​1 ppm​の​確度​を​有する​発振器​の​周波数​源​に​置​き​換え​ら​れ​ます。

図​3. NI PXIe-6674T - 業界​最高​レベル​の​性能​を​発揮​する​OCXO​ベース​の​PXI​タイミング/​同期​モジュール

 

NI PXI​タイミング/​同期​モジュール​を​導入​し、​複数​台​の​PXI​デバイス間で高精度のクロックソースを共有すれば、​システム​クロック​の​誤差​を​全面​的​に​改善​でき​ます。​OCXO​や​TCXO​を​ベース​に​した​モジュール​の​よう​に​クロック​誤差​が​生​じ​にくい​PXI​モジュール​を​システム​の​タイミング​スロット​に​用いる​際、​PLL​回路​(Phase-​Locked Loop:​位相​同期​回路)​を​有する​PXI​モジュール​を​使​え​ば、​スロット​内​の​高​精度​クロック​の​性能​を​充分​に​活かす​こと​が​でき​ます。​PXI​の​10 MHz​基準​クロック​を​NI PXI​の​OCXO​の周波数源に合わせれば、​クロック​の​誤差​を​0.5 Hz​に​抑え​ら​れ​ます。​一方、​PXI​の​10 MHz​基準​クロック​を​NI PXI TCXO​の​周波数​源​に​合わせる​と、​誤差​は​10 Hz​に​なり​ます。

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NI-​TClk 技術

高速​PXI​モジュール​式​計測​器​の​同期​を​必要​と​する​アプリケーション​において、​要求​さ​れる​クロック​と​トリガ​を​分配​する​こと​で​高度​な​同期​を​実現​する​こと​は​困難​です。​スキュー​や​ジッタ​によって​遅延​や​タイミング​の​不​確実​性​が​生じる​こと​が​ある​から​です。

NI​は、​別​の​信号​クロック​領域​を​用​い​て、​サンプル​クロック​の​整合​と​トリガ​の​分配​および​受信​を​可能​に​する​同期​方式「NI-​TClk」​を​開発​しま​した。​特許​出願​中​の​同​技術​は、​以下​の​事柄​を​目的​として​設計​さ​れ​てい​ます。


​• 10 MHz​基準​クロック​に​位相​ロック​さ​れ​てい​て​も、​初期​段階​で​必ずしも​整合​さ​れ​て​いる​と​は​限​ら​ない​サンプル​クロック​を​整合

• 同期​さ​れ​た​デバイス​の​正確​な​トリガ​を​実現

NI-​TClk技術​は​柔軟性​が​高​く、​以下​の​よう​な​ケース​で​の​利用​が​可能​です。
​• サンプル​クロック、​もしくは​基準​クロック​を​用​い、​モジュール​式​計測​器​を​高速​に​同期
​• 同期​を​単一​の​PXI​シャー​シ​から​複数​台​の​PXI​シャー​シ​に​拡張​し、​システム​タイミング​モジュール​を​使用​し​て、​多​チャンネル​システム​に​対応
​• 内部​または​外部​の​サンプル​クロック​を​使用​し、​同じ​または​異なる​サンプル​レート​で​動作​する​デバイス​を​同種​同期/​異種​同期

NI-​TClk技術​を​導入​すると、​特に​設定​など​を​行う​こと​なく、​PXI​モジュール​式​計測​器​の​同期​性能​を​直ちに​向上​させる​こと​が​でき​ます。​主​な​ソフトウェア​コンポーネント​は​3​つ​の​LabVIEW VI/​C​関数で構成され、​パラメータ​の​設定​は​必要​ありま​せん。​NI-​TClk​アーキテクチャ​では、​デバイス​間​の​スキュー​を​最大​でも​1 ns​に​抑える​こと​が​でき、​一般​的​な​スキュー​は​200 ps​~​500 ps​の​範囲​内​に​収​まり​ます。​各​デバイス​の​サンプル​クロック​を​手作業​で​キ​ャ​リ​ブ​レ​ー​ション​(校正)​すれば、​デバイス​間​の​スキュー​を​30 ps​未満​に​まで​低減​でき​ます。

図​4. 同期​性能​の​向上​に​不可欠​な​NI-​TClk​機能

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NI の​PXI​設計​が​もたらす​その他​の​メリット

NI​の​PXI​プラットフォーム​設計​が​もたらす​その他​の​メリット​について、​詳​しく​は「NI PXI​の​強み」​シリーズ​の​ほか​の​ドキュメント​を​ご覧​くだ​さい。

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