5G New Radio​について​知​って​おく​べ​き​5​つ​の​基礎​知識

3GPP​は​Release 15​に​て、​第​5​世代​移動​通信​システム​「5G New Radio(NR)」​の​標準​仕様​を​発表​しま​した。​この​新しい​仕様​の​特徴​と、​5G NR​向け​製品​の​設計・​テスト​に​不可欠​な​ソリューション​を​ご​紹介​し​ます。

 

1. New Radio(NR)​は​無線​インタフェース​の​名称​で​ある

移動​通信​システム​の​標準化​プロジェクト​で​ある​3GPP(3rd Generation Partnership Project )​は、​Release 15​に​て​「New Radio」、​または​「5G NR」​と​呼ばれる​成​新​技術​を​規格​化​しま​した。​「NR」​は、​移動​通信​業界​において​第​4​世代​移動​通信​システム​(4G)​技術​を​「LTE」、​第​3​世代​移動​通信​システム​(3G)​技術​を​「UMTS」​という​用語​で​表す​の​と​同様​の​位置付け​に​あり​ます。 Release 15​の​ドラフト​仕様​は​2017​年​12​月に承認され、​2019​年​の​半ば​に​は​完了​する​予定​です。 Release 15​は​まだ​スタート​地点​で、​5G​の​ほんの​第​1​段階​を​確立​した​に​すぎ​ま​せん。 Release 16​では​第​2​段階における仕様が提示され、​2019​年​12​月​に​完了​する​予定​です。

2. 5G​が​使用​する​新しい​周波数帯

5G​において​は、​どの​周波数​帯​を​使用​する​か​という​問題​が​多く​の​人​の​関心​を​寄せ​て​き​ま​した​が、​その​答え​は​徐々に​明確​に​なり​つつ​あり​ます。 5G​の​研究​が​開始​さ​れ​た​頃、​ミリ​波​帯​の​使用​が​検討​さ​れ​て​いる​が​大きな​話題​となり​ま​した。​そして、​実際​に、​ミリ​波​帯​は​5G​の​中でも​重要​な​位置付け​と​な​って​い​ます。 ただし、​直近​では、​ミリ​波​だけ​では​なく、​6 GHz​以下​(サブ​6 GHz)​の​周波数​帯​も​欠​か​せ​ない​もの​となり​ます。 Release 15​では、​2.5​~​40 GHz​の​範囲​で、​NR​向け​に​割り当てる​ため​の​複数​の​周波数​帯​を​示し​てい​ます。 その​中でも、​モバイル​通信​向け​の​周波数​帯​として​早期​の​サービス​イン​が​期待​さ​れ​て​いる​の​が、​3.3​~​3.8 GHz​帯​と​4.4​~​5.0 GHz​帯​です。 3.3​~​3.8 GHz​帯​は、​早ければ​2018​年​に​5G​向けに割り当てられ、​サービス​が​開始​さ​れる​可能性​が​あり​ます。 実際​に、​米国、​ヨーロッパ、​および​アジア​諸国​の​行政​機関​は、​既に​この​周波数​帯​を​5G​へ​の​割り当て​に​向け​て​開放​し​てい​ます。 また、​この​周波数​帯​で​使用​可能​と​なる​潤沢​な​周波数​資源​は、​通信​事業​者​に​とっても​魅力​的​な​もの​となり​ます。 しかし、​40 GHz​以下​の​帯域​幅​は​まだ​幕開け​に​すぎ​ま​せん。 将来​的​な​3GPP​の​リリース​は、​最大​86 GHz​まで​の​周波数​帯​を​活用​する​可能性​も​あり​ます。

3. ビーム​フォーミン​グ​が​大きな​課題に

モバイル​端末​へ​の​通信​品質​を​最大​化​する​する​ため、​NR​は​アナログ・​デジタル​の​両方​を​融合​した​ビーム​フォーミン​グ​技術​を​活用​し​ます。​ビーム​フォーミン​グ​の​採用​は​モバイル​通信​において​初めて​の​試み​では​なく、​4G​では​既に​デジタル​ビーム​フォーミン​グ​が​採用​さ​れ​てい​ます。​ただし、​4G​より​も​高い​周波数​を​活用​する​5G​において​は、​電波​の​直進​性​が​高まり、​従来​より​も​通信​リンク​の​形成​が​難​しく​なる​一方、​アンテナ​を​より​小型化​できる​よう​に​なり​ます。​これら​を​背景​に、​拡張​的​な​アナログ​ビーム​フォーミン​グ​技術​の​使用​が​後押し​さ​れ​てい​ます。​24 GHz​より​高い​周波数​帯​を​使用​する​場合、​アナログ​ビーム​フォーミン​グ​を​用いる​こと​で、​5G​基地​局​は​端末​と​下り​リンク​の​通信​を​行う​際​に、​より​狭い​幅​の​ビーム​を​形成​し、​その​ビーム​を​より​細か​く​ステアリング​できる​よう​に​なり​ます。​この​プロセス​は​まず​ビーム​スキャン​から​始まり​ます。​そう​する​こと​で、​基地​局​は​特定​の​モバイル​端末​に対して​最も​効果​的​な​ビーム​形成​パターン​を​特定​でき​ます。​この手法を取れば、​モバイル​端末​が​受信​する​下り​リンク​信号​の​強度​を​高める​こと​が​でき​ます。​特に、​高次​変調​方式​を​用いる​際​に、​この​メリット​は​顕著​に​なり​ます。​しかし、​この​よう​な​ビーム​フォーミン​グ​技術​を​検証​する​ため​に​は、​新た​な​テスト​手法​が​必要​となり​ます。​各​ビーム​に対する​特性​評価・​検証​が​必要​な​だけ​では​なく、​ケーブル​を​使​わ​ず​に​無線​伝搬​に​基づく​Over-​the-​Air(OTA)​計測​の​必要​も​生じる​ため​です。

4. 最初​の​5G​デバイス​は​まだ​LTE​に​依存

5G​の​フェーズ​1​では、​最終​的​に​動作​モード​として​スタンドアロン​と​ノン​スタンドアロン​の​両方​が​採用​さ​れる​見込み​です。​ノン​スタンドアロン​モード​では、​モバイル​機器​は​4G​と​5G​の​ネットワーク​を​同時に​使用​し、​LTE eNB​と​5G gNB​の​両方​と​の​接続​を​維持​し​ます。​ノン​スタンドアロン​モード​の​仕様​は​2017​年​12​月​に​完了​しま​した。​スタンドアロン​モード​は​2018​年​半ば​に​Release 15​が​完了​する​際​に​まとめ​られる​こと​が​予定​さ​れ​てい​ます。​それ​まで​の​間、​LTE​と​NR​の両方のトランシーバが同時に使用され、​電力​効率​の​向上​と​電波​干渉​の​軽減​に​多大​な​注意​が​払​われ​ます。

5. フェーズ​1​では​まだ​OFDM​波形​を​使用

5G​の​候補​と​なる​波形​は​数多く​提案​さ​れ​ま​した​が、​NR​の​フェーズ​1​では​直交​周波数​分割​多重​方式​(OFDM)​が​採用​さ​れ​てい​ます。​5G NR​の​下り​リンク​では​サイ​クリック​プレフィックス​OFDM (CP-​OFDM)、​すなわち、​LTE​で​使用​さ​れる​下り​リンク​信号​と​同じ​波形​が​使用​さ​れ​ます。​ただし、​LTE​と​は​異​なり、​5G NR​は​上り​リンク​に​は​CP-​OFDM​および​DFT-​S-​OFDM​を​ベース​に​した​波形​も​使用​し​てい​ます。​さらに​LTE​と​異なる​点​として​は、​5G NR​では​サブ​キャリア​の​ガード​バンド​が​可変​で​ある​こと​が​挙​げ​ら​れ​ます。​LTE​の​サブ​キャリア​の​ガード​幅​ガード​インターバル​は​ほぼ​常に​15 kHz​で​あっ​た​の​に対し、​5G NR​では​15 kHz x 2n​の​条件​で、​最大​240 kHz​まで​任意​に​設定​でき​ます。​ガード​バンド​が​240 kHz​と​なる​ケース​は、​帯域​幅​が​400 MHz​と​なる​シナリオ​の​ため​に​用意​さ​れ​てい​ます。

技術​資料


5G New Radio:​物理​層​の​概要

最近策定された​「5G New Radio」​物理​層​によって、​いかに​し​て​5G​の​未来​が​現実​化​へ​向け​て​大きな​飛躍​を​遂げる​の​か​を​解説​し​てい​ます。

  • 鍵​と​なる​OFDM​波形​の​選択
  • 柔軟​で​スケーラブル​な​Numerology​の​メリット
  • ミリ​波​運用​と​マルチ​ユーザ​MIMO​の​サポート
  • 効率​の​良い​スペクトル​利用​が​可能​な​帯域​幅​部分

5G New Radio​に対する​新た​な​イノベーション

新しい​周波数​帯、​より​広い​帯域​幅、​新しい​ビーム​フォーミン​グ​技術​など、​5G​に​は​設計​および​テスト​に関する​重要​かつ​手ごわい​課題​が​待ち​構え​てい​ます。​NI​の​サポート​を​ぜひ​ご​利用​くだ​さい。

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